e.a.B イオンモール広島祇園店_2009.03
■サイズ■仕様
W1200×D750×H1100
図面参照
基本フレーム:スチール角パイプ
木部:木工化粧板仕上げ
■備考
2020.05.27更新

作図内容

見るからに低い什器ですが、商業施設のキッズ売り場を設計した際にオリジナルの什器を考えました。これといって珍しくも無いですが、参考となる部分もありますのでご覧になってください。

構造用合板を使った両面型のシステム什器です。この構造用合板は木造住宅の屋根や壁の下地材として主に使われる材料ですが、当時は仕上材としても注目されていました。現在でもこの素材を使った店舗は多く見られます。

さて、今回の什器のフォルムはとてもシンプルで、台形の側板がアクセントとなって、この側板にサインや、一点掛けフックを取り付けるなどして演出も可能なので、いろいろアレンジが出来ます。

そして、嬉しいことと言えば、構造用合板は加工も可能なので、家具だけでなく様々な所で活用出来る建材といえます。

造りは、基本フレームをスチール角パイプで構成しました。木部も構造用合板仕様のため普通の木軸パネルを製作するよりも安価で、耐久性も高く、厚みも9mm〜28mmまでがあります。

天板フレームの両側に曲げ加工したスチールカバーを溶接しておいて、そこに側板を差し込む取り付け方にしています。収め方のポイントとして挙げられるのが、側板の固定方法です。

このスチールカバーも存在感を出すために、あえて大きめのサイズ(480mm×75mm)にしています。(b,c部詳細図を参照下さい)脚元も同様につなぎ用パイプに溶接したLアングルに側板を乗せ、内側からビスにて固定しています。

このLアングルは、側板の重量を考慮して少し厚めの3mmにしました。ただ、この構造用合板を仕上材として使う場合、小口処理をどうするかで迷いました。

積層状の断面をそのまま活かして、味のある見え方にする方がいいのか、小口テープを貼って外観を整える方がいいのかの二択でした。

結果的に、構造用合板そのものを活かすために、小口には最低限の安全性を保つためにサンドペーパーだけをかけて染色しました。

以下は、天板部分の断面詳細図ですが、今回のガラスでの天板が付く場合は大概が下記のような収めになると思われます。是非参考になさってください。

断面詳細図

編集後記

仕上材としても利用できる構造用合板ですが、注意すべきは合板が作られる過程で使用する接着剤にあります。薄い板を貼り合わせるための接着材には、人体へ有害な物質(ホルムアルデヒド)を多く放出するものがあります。

放出量を示すために合板の表面に国が規定した基準で「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」といった印字がされています。万が一を考え、最低でもこの規格をクリアした材料を選ぶようにして下さい。

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