カラーバリエーションが楽しいラック什器
■サイズ | ■仕様 |
W1500×D500×H2450 図面参照 | 書籍ラック:木工下地+それぞれの仕上げ (作図参照) 支柱:φ38 真鍮メッキ仕上げ (インローパイプ固定+内側でビス止め) |
■備考 | |
初級編/難易度:★★☆☆☆ |
作図解説
ホテルや空港などのラウンジスペースなど、パーティションの代わりとして、書籍ラックや季節毎の雑貨などをディスプレイしている什器をたまに目にします。
開放的な空間は、変化の無い間仕切りよりも今回の事例のような什器を設置することで、閉鎖感を感じさせずに空間をある程度区切ることが可能だからです。
この作図事例も、前述の類似した什器で、圧迫感を感じさせず、空間を旨く区切ることの出来る書籍ラックなのです。
このような、ラックを置くことによって空間は確実に『和み』を感じることが出来るのではないでしょうか。それでは、設計ポイントを!
設計ポイント
基本的には、各棚板と木製の方立での構成です。各棚板にはオープンなところやクローズにしたスパンもあり、ランダムな仕切り方といています。
仕切り板になる方立も木目調の仕上げもあれば、単色の白や各色での塗り分けものあるので、変化があって楽しませる効果も持っています。
ただ、このラック自重だけでは厳しいので、補強するために、36mmのスチールの丸パイプを天井から左右に一本づつ取付けました。
しかも、左右の長さをあえて変化させ什器にうまく調和するように考えられています。
ここでの設計ポイントは、この補強パイプの納めです。
上の断面詳細図を確認してください。最上段の棚には、直径120mmのスチールベースプレートとインローパイプを溶接し、ビスで固定しています。
以下拡大図を添付しましたので、再度確認してください。これなら理解できると思います。
かわって、棚間にあるパイプについては上下のインローパイプを使って固定となります。
この部分を現場で取り付けるには、本体を分割する必要があったため、事前に工場で取り付けるようにしました。
各棚には、ディスプレーする書籍の落下防止用の角パイプを取り付けてあります。ビスを上からもみ込むこともできるのですが、これではビス頭が目立ってしまって、折角の意匠が安っぽくなってしまします。
そこで、傾斜になっている底面部分だけを後付けにして、ビス頭が出ないように工夫してあります。
最後に床面への固定方法です。あらかじめ、巾木となる箱を床にビス固定し、その後で本体を落とし込むようにしました。以下作図参照してください。
設計で気にかけたことは、ランダムな仕切り板です。一見感覚だけで配置したように見えますが、各棚の強度を考えて配置しました。
アンバランスな仕切り板の配置は、均一なピッチよりも難しく、見た目以上に計算が必要となってきます
まとめとして
ホテルの設計は物販店に違い、お客様の滞在時間が長いのと、くつろぎを感じて頂くため、作図には気を使います。サイズ決定や納め方です。
ここ以後で、ホテルの環境設計や各客室の実施設計などに携わることが、比較的多かったことを思い出します。
竣工後の写真がありましたので、参考までにご覧下さい。
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