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ショーウィンド点検用のガラスドアの詳細図事例

ドレス&スタイル梅田_2013.06
■サイズ■仕様
W1190×D25×H2205
図面参照
建具:スチール曲げ加工焼き付け仕上げ
スクリーン:t=8クリアガラス+飛散防止フィルム貼り
押さえ縁:9×9スチール角パイプ+焼き付け仕上げ
■備考
2020.03.09更新

背景

関西の都心にある高層ビルへブライダルショップの出店があり、基本設計の途中から設計業務を引き継いだ物件でした。作図は勿論のこと、デザイナーとの調整や業者さんへの発注までも担当することとなり、1ヶ月間はこの物件に掛かりっきりになっていました。

作図説明

この作図事例は、4面をガラスで覆ったショーウィンドに取り付けたメンテナンス用ドアの詳細図です。ただ、今回は建具に注目してもらいたいので、部分的にカットした図面にしました。

このショーケースの基本フレームはスチール角パイプで構成されています。ただ、内部の底板がLED照明で演出照明を仕込んだためにメンテ用のドアがいるという訳なんです。

この事例と同じようなフォルムをした建具の場合、重量を考慮してフロアヒンジや鉄扉用のPヒンジを使用します。

しかし、今回はピアノ蝶番と重量用キャスターを使いました。この理由には、2つあります。

1つめは、床面にフロアヒンジを埋め込むだけの深さが確保できなかったことにあります。

実は、入店者様が施設側との事前協議で床工事の確認が取れず、大きく削る工事が、後手に回り不可になっていたのです。ちなみに浅型のフロアヒンジでも最低60mmの深さが必要です。

2つめは、施主側からヒンジをできるだけ隠してほしいとの要望があり、Pヒンジよりも目立たないピアノ蝶番を採用したことです。

しかし、これだけの建具を開閉する為には、いくら重量用のピアノ蝶番であっても耐久力不足です。

そこで、いろいろ製作会社と協議した結果、足元に重量用キャスターを取り付けてスムーズに開閉させることにしました。(私は過去にも同じような収めをして成功しました)

ただ、過去に例のない手法だと、業者さんが言うもんですから、確認として建具を製作後、実物で何回も開閉テストをしてもらうことにしました。

それでは各部の詳細図を順に見ていきます。まずは平面図の建具部分を拡大した詳細図です。

ピアノ蝶番と建具の収まりが、この詳細図でわかると思います。

規格品の鋼材では22mm×21mmというサイズがなかったので、建具フレームにはスチールの曲げ加工と背面に溶接した3mm厚のフラットバー(以下FB)で構成しました。

ガラスの押さえ方は一般的な方法の9mm×9mm角パイプを押さえ縁として使いました。

続いては重量キャスターが収納される箇所を描いた詳細図です。

位置関係がわかりやすいように正面からみた詳細図も合わせてご覧ください。


建具の厚みにキャスター分が加わって、建具下部だけの奥行きが(25mm+60mm)85mmにもなります。

そのため、スケッチで描いているような収納ボックスをショーケースの袴部分に取り付けるようにしました。

建具とショーケースの袴との間には閉める時の衝撃を吸収させるためにクッション材を取り付けてあります。また、フレームには隙間埋め材としてよく使われる「モヘア」と呼ばれる織物系のクッション材にしています。

作図の注意点
今回の事例で使用したような重量用キャスターを選ぶ時は、タイヤの素材に注意して下さい。対荷重のあるキャスターでは硬めのタイヤが多く、床面を傷つける恐れもあるので、できるだけ樹脂系のタイヤを選ぶように心がけてください。

お願い致します!
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