■サイズ | ■仕様 |
W900×D450×H1050 図面参照 | 本体:木工染色CL仕上げ ケース部:t=8mmクリアガラス 装飾金物:10×10 SUS HL角パイプ 打ち込み+ボンド接着 |
■備考 | |
作図解説
この作図事例は、各所に個性的な部分はありますが、汎用性のあるショーケースだと言えます。実物件では、ステーショナリーショップで、万年筆などの高級品を展示しました。
汎用性があるので、宝石や貴金属アクセサリーなどの売場にもぴったりなショーケースだと言えます。
それでは、細部にについて解説していきましょう。
まず、上部のショーケースは、ガラスの前板を引き出すタイプとなっていて、底板にはスエード調(エクセーヌ)の生地を巻き込んんでいます。( エクセーヌ:TORAY )
ケース内には、スタンド照明を2箇所設けていているのですが、可動するエクセーヌ貼りの底板には、この部分を欠き込む必要があるので、作図時点では注意して下さい。(平面図参照)
次に、腰部に取り付けた装飾金物について簡単に説明します。
腰部三面の段差を付け、アクセントととなるデザインを施すために、10mm×10mmの角パイプを取り付けました。下のa部詳細図を見れば理解できると感じます。これは、ある種の見切りとも言えます、
実際、この手の納めはよく使うことがあって、今回の作図事例だけでなく、このような段差がある場合、金物角パイプを利用して旨く納めます。
今回の注目ポイントでも有りますので覚えておいてください。
ちょっとしたデザインで、見違える今回の什器ですが、この什器にも、作図上ちょっと厄介な箇所があります。それは、ショーケースの芯出しに取り付ける鍵には悩みましたね。
芯出しの厚みは30mmで。この見付に入る鍵を探すのに結構な時間を要しました。
結局、この芯出しの見付けサイズに適応するものがなく、苦肉の策ととして背面の羽根が回転して施錠できるカムロック錠にしました。 鍵を廻すと同時に、羽根が回転して天板に掛かる仕組みになっています。
ただ、羽根を引っ掛けるための溝を掘る加工が必要となりました。 参考までにカムロック形状がわかる画像を下記に添付しておきますので、ご覧下さい。
上の3枚の画像を見れば理解出来るはずですが、如何でしょう。
こうして、なんとか納めに辿り着いた次第です。(汗)まあ、これが最大の難所でしたので、後は問題なく作図を進めることが出来ました。
残るは、ショーケース下にある鍵付きの引き出しです。4箇所あるわけですが、なるべくひとつの鍵で処理したいので、同じ面付きシリンダー錠を取り付けることにしました。
作図をするより納めを考える時間が多くかかってしまった作図事例でしたが、良い勉強にもなりました。
意匠的なバランスだけで、安に引き出しや芯出しのサイズを決めてしまうと、こういった結果に成ります。また、鍵やスライドレールを取り付ける事が、難しくなる場合もあります。
特に、ショーケースにとって鍵とスライドレールの二つは欠かせない金物部品なので、外観だけでなく内部構造も検証した上で、サイズ決定をするよう心掛けて下さい。
最後に、今回は「鍵」で大失敗でした。本来は、芯出し、引き出し等の鍵を統一いて、ひとつの鍵でまかなえるマスターキー仕様にすれば良かったんですね!
この点は、特に覚えておくべきことです。
ちなみに、面付きシリンダー錠の一番小さなサイズでも、44.8mm×36.8mmあるので、芯出しの見付サイズは少なくとも45mm以上を確保した方が望ましかったようです。(反省)
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