サイトアイコン 図面屋.com 店舗設計詳細図「虎の巻」

《ショーケース》意匠性を意識した円弧型ショーケースの作図事例

物件名:銀座三越 4F 銀座スタイル_2009.12
■サイズ■仕様
W2400×D600×H960
図面参照
ケースフレーム:SUS HL FB+16×16角パイプ溶接処理
ケース天板:t=8クリアガラス/ケース前板:t=6クリアガラス
※飛散防止フィルム貼り
腰・抽斗:化粧板仕上げ
■備考

作図解説

かなり意匠性が高くフォルムにこだわってますね。今回は、この円弧型にしたショーケースをご紹介します。

ただ、ハッキリ言って汎用性はありませんので、あまりお薦めは出来ません。しかし、この作図には、大切な納めが有りますので、しっかり読み取ってください。

さて、そのフォルムとそのサイズで、かなり存在感ある什器になっていますが、
高級ジュエリーショップでは違和感なく設置出来るでしょう。(一部の店舗)

また、ショーケースの大きさに比べて腰部の収納ケースは、半分ほどのボリュームなり、こちらはコンパクトサイズになっています。

気になるのは、ケースの左右には脚もなく、ショーケースが宙に浮いているイメージなのでしょうが、安定感に懸念さを感じます。

まずは、トップ画像で平面図と各平断面図をご覧下さい。

ケース本体はステンレスフレームで、ガラスには飛散防止フィルムを貼って防災対策もしています。

以下平面詳細図参照

上のa部詳細図では、上下のフレーム間に取り付けた角パイプ支柱の寄り寸法とガラスとの取り合いを表現しています。内部の底板にはフェルトを貼り、3枚の芯出しにて商品を引き出せるようにしています。

平面詳細図

しかし、この芯出しには円弧型故の難点があります。それは3枚の芯出し全てを同時に引き出すことが出来ないのです。

A平断面図を見て頂くとわかるように、中央の芯出しが左右のものに干渉してしまっています。円弧の内円に向かって引き出すので、仕方ありませんね。

B、C平断面図は、収納ケース部の抽斗と最下段を表しています。ショーケースに比べてこちらはとてもシンプルな構造なので、特に注意すべき点はありません。

続いては、D断面図に移りますが、デザイナーのこだわりがここにもあり、フレームにも意匠を施しています。

上下2枚のステンレスフラットバー間に16mm×16mmの角パイプを挟み込み、底目地のようにして横フレームを形成しています。

この納めは、非常によく使われるますので、覚えておいても損は無いでしょう。

縦フレームは、同素材の16mm×16mm角パイプを用いています。

その他、木工部分の腰部の抽斗や芯出しは一般的な納めとなっているので、特記する必要はないと感じます。



作図での注意点

ショーケースの大きさを考え、天板だけに8mm厚のガラスを使っています。しかし、直線状でのワイドが2400mmもあるので、ケース内に補強用の方立てが必要になるかもしれません。

デザイナーの意向で、今回は方立てを取り付けていませんが、中央の芯出し両側にガラス方立てを入れておけば、天板に荷重が掛かった場合にも対応できます。
念のため、上に配置したA平断面図を確認してください。赤い点線で表記しておきました。

デザイナーは、どうしても見てくれを優先しますが、これは危険と判断したときは、実施図をもって私は説得します。見てくれも確かに大切ですが、私はその什器に触れる人のことを考えます。純恵でした。

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