什器製作図で厄介なのが、ショーケースと思いますが、設計実務の浅い方には、経験不足もあって、ガラスや照明器具との取り合いなどがあって、難しいとお思いの方が少ないと考えます。
しかし、納まりの要点さえしっかり覚えさすれば、それほど難しくはないと思います。要は理解度の問題です。
すっきりしたショーケース姿図
■サイズ | ■仕様 |
W940×D600×H1000 図面参照 | ガラスショーケース:t=8mmクリアガラスFIX 本体:メラミン化粧板仕上げ(アイカAY-281BG 抽斗:メラミン化粧板仕上げ(アイカAY-281BG) 脚:50角スチールパイプ焼き付け仕上げ (メタリックシルバー) |
■備考 | |
Zippoライター専用ショーケース | 中級者/難易度:★★★☆☆ |
今回の作図事例は、喫煙具売場で設置したショーケースです。主に店頭での活躍が期待されます。ただ、四方からの視認性も高いので、店舗中央の展開での良いでしょう。
まず、図面とサイズなどを確認してください。今回は、「芯出し」がメインとなりますので、しっかり理解してください。「芯出し」については、以下を参照下さい。
■サイズ ■仕様 W1100×D400×H1050図面参照 フレーム:SUS角パイプ30×30ピンクゴールドクリア仕上天板:t=8㎜透明ガラス 飛散防止フィルム貼芯出しフレーム:SUS FB3×45㎜ピンク …
断面詳細図と各スケッチ
まず、上の作図をご覧下さい。断面詳細図、ライタートレースケッチ、スチール脚スケッチが、確認できます。この作図を元に説明していきます。
ショーケースでのメイン部は、やはりガラスショーケースであって、飲食店、物販店を問わずケースのガラスには、基本8mm厚のガラスが、最も一般的です。
しかし、部材を理解してもその納めとなれば、経験が必要です。以下の作図をご覧下さい。
まず、芯出しの前板ガラスを埋め込む際は、その芯出し上部から10mm以上がベストでしょう。作図では、25mmとなっています。この場合、芯出しが引き出し式となっているため補強も考えてのことです。
次に右の作図を見てください。この図は平面詳細図です。ショーケースのガラスのよりを表現してます。ここでは、15mmに設定してます。十分な距離が取れています。
続いて、芯出しを引き出す芯出しとスライドレールについて。スライドレールには、横引タイプと底引きタイプの2種類があります。今回は、底引きタイプを取り付けました。
芯出しとショーケース前ガラスの納め
引き出す芯出しの見付けサイズは、70mmです。ショーケースですから必ず鍵が必要となり、面付きシリンダー錠を取り付けました。
まず、見付けサイズを決定する上で、このシリンダー錠の前面部分のサイズと芯出し底板に、十分な板厚を確保出来ているかのチェックします。
芯出しの底板は耐久性なども考えて、少なくとも15mm以上は欲しいです。ここでは、20mmとってます。
面付きシリンダー錠部分の有効サイズは、凡そ40mm前後なので、底板の厚みと合わせると55mmとなります。
この事例では地板に、鍵部分を納める仕組みなので、この部分のサイズも計算すると芯出し見付は、70mmというサイズになるのです。
スライドレールのタイプ変更や、ケース底板と地板の厚みを調整して、見付けを小さくしたとしても55mmが限度でしょうね。
その他、ショーケース下の機能面については、引き出し、開き戸などありますが、これらに関しては、様々な什器図面で見ることが出来ます。
上の断面詳細図を見ていただいても、特に難しい点はありません。
ただ、今回の作図事例は、ZIPPOライター専用なので、引き出し内部にライター専用のトレーを設置しています。
まとめとして
今回の作図事例は如何でしたか?ちょっと難しかったかもしれませんね。実際、私も納めについては悩みもって描いていました。
ショーケースって、やはり厄介です。今回のように、ガラスケース、芯出し、スライドレール、鍵といった不可欠な要素が絡んできます。
これらの取り付け取り合いを上手く調整しなければ、製作図は完成しません。
確かに難しい部分は多々ありますが、これも経験を積めば、いろいろなパターンのケース図面を描くことが出来ます
今回の事例もそうですし、このサイト内にも同じような什器事例があります。基本となる各寸法を、頭の中に叩き込んでおけば、あとはその応用で済むようになります。頑張ってみてください。余田和でした。
ちなみに、こちらのショーケースは下記店舗にて設計したものです。
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