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《GS_001》スライドレールを見せない、芯出し付きガラスケースの納まり

陳列棚を引き出しても、スライドレールが見えない納まりを考えたガラスケース
■サイズ■仕様
W1200×D600×H1000
図面参照
 ショーケース天板:t=8クリアガラス+飛散防止フィルム貼り
腰:メラミン化粧板仕上げ(木目)
ショーケース内天板:メラミン化粧板仕上げ(木目)
その他図面参照
■備考
業態:土産物店
作図日:2022.12.25
■難易度:中級編/★★★★☆
《GS_000》は、ガラスショーケース(glass-showcase)を指します
イメージ

作図解説

今回は、アクセサリー売場などで使われる、芯出し付きガラスケースの作図事例をご紹介します。

芯出しとは、ケース内の陳列棚を手前へ引き出せる構造のことで、商品の入れ替えやディスプレイの調整に役立ちます。

ただし、陳列棚が動けばよいというものではありません。透明なガラスに囲まれたケースでは、内部の金物も目に入りやすくなります。

閉じているときはすっきり見えても、引き出した途端にレールが露出すると、せっかく整えた意匠が損なわれます。

そこで今回のポイントになるのが、「スライドレールを見せない」という考え方です。

陳列床の裏側に金物を納め、引き出した状態でも側面からレールが見えない構成を採用しています。

本体は、W1200×D600×H1100。上部のガラスケースは高さ300mm、その下は収納を備えた木工家具です。ガラスは厚さ8mmのクリアガラスに飛散防止フィルム貼り、腰部分は木目柄のメラミン化粧板仕上げとしています。

見た目を整えるために選んだ金物を、家具の中へどう組み込むか。

その検討を平面と断面で確認できるところが、この図面の見どころです。

作図ポイント

本体外形を基準に、ガラスと芯出し部分の位置関係を読み取ります。

まず確認したいのが、前ガラスと一緒に可動する陳列棚の位置です。

平面詳細図では、本体外形からガラス外面まで12mm、ガラス厚が8mm、その内面から芯出し部分の端部まで35mmとなっています。

これらを足すと55mmになり、左右それぞれの寸法を本体幅1200mmから差し引くと、ケース内天板幅1090mmにつながります。

ここで大切なのは、見えている寸法を個別に覚えることではありません。どの面を基準に、どの部材まで寸法を追っているのかを理解することです。

ガラスの寄り付きと陳列棚の位置が曖昧なままでは、その下に取り付けるレールの位置も定まりません。

陳列棚の下に設けたレールと、木工下地との取り合いを確認します。

次に断面図を見ると、芯出し部分の下に底引きスライドレールを取り付けていることが分かります。ちなみに、図面に記載されているのは、スガツネのC203Vです。

添付の製品資料では、引き出しの裏側にレールを取り付ける特殊な形状により、引き出しても側面と筐体側にレールが見えない構造として紹介されています。今回のように、ガラス越しの見え方を大切にしたいケースに適した考え方です。

ただ、レールを裏側へ移せば納まりが完成するわけではありません。

金物を納める高さと固定下地を確保し、その上で陳列面の高さを整える必要があります。断面図では、陳列棚、レール、下部家具の天端を一体で検討することが大切です。

また、この事例では移動距離378mmが示されています。閉じた位置だけでなく、引き出した際の陳列棚の位置や、周囲との干渉も確認し無ければなりません。

竣工時までには、陳列棚と商品の重量に対する金物の条件も押さえておきたいところです。

所感・まとめ

正式にはガラスショーケースと呼んでますが、コレは透明であるほど内側の納まりが外観に表れます。

商品を見せるための什器だからこそ、それを支える金物をどこへ納めるかが仕上がりを左右します。

今回の図面から覚えてほしいのは、見せない金物を選ぶことと、その性能を生かす下地や寸法を描くことは、ひと続きの作業だという点です。

平面詳細図で横方向の位置を決め、断面詳細図で高さと取り付け方を詰める。そこで決まった内容を姿図にも反映させることで、意匠と製作の整合が取れてきます。

芯出しの使いやすさを確保しながら、開いたときの姿まで美しく整える。スライドレールを見せない納まりには、そんな家具図面の工夫が詰まっています。

ちなみに、私はこのガラスショーケースが描ければ、一人前と見なします。

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