■サイズ | ■仕様 |
W1300×D315×H150 図面参照 | FOパイプベース:t=2.3×25mmスチ-ルFB曲げ加工 黒皮+ブラッククリア仕上げ HGパイプ:φ25mmスチール丸パイプ黒皮+ブラッククリア仕上げ 両端にコロビ止め取り付け(φ6×h10mm) |
■備考 | |
上級者対象 |
作図解説
この作図事例は、壁面に固定したハンガーパイプの詳細図です。アパレルショップでは、多くの店舗が、固定式のハンガーパイプを設置しています。昔、コムデギャルソンが、お披露目したハンガーパイプです。
最近では、定番の装置です。そして、その殆どは、床や天井からの固定仕様なっていて、余計な支持パイプが目立ち、あまりよろしくない。と以前から思ってました。
しかし、今回のハンガーパイプは、今までの固定方式を逸脱した方法で処理しました。それは、見ての通り壁面のみでの固定です。おかげで、シンプルで、スタイリッシュな仕上がりとなりました。
納め方については、最も荷重が掛かるブラケットの根元には大きめの座を、あえて見せるようにしたデザインとなっています。これを取り付けた店舗の壁面仕上げが、荒々しいモルタルだったので雰囲気を合わすためにと考えた訳です。
では、各詳細図をご覧頂きましょう。
まずは、このハンガーを正面から見た所を拡大したa部詳細図です。
150mm×150mmスチールプレートの座は、事前に壁下地材の軽量鉄骨(以下LGS)に取り付けた4本のボルトを袋ナットで締めつけて固定しています。
座にはハンガーパイプを支持するためのブラケットとして、3重に重ねた5mm厚のスチールフラットバー(以下FB)を溶接処理としました。
5mmのFB一枚でも相当の強度は保てますが、床や天井からの補強がないので、3重にすることで、より高い強度となって安定感も期待できます。
しかも、ブラケット根元には、三角形の補強材も取り付けてあるので、コートなどの重衣料の陳列にも十分耐えることが出来ます。
尚、ハンガーパイプはこの3重にしたFBブラケットを介して打ち込みナットで固定するようにしました。
続いて断面図ですが、2箇所の断面図を作図しています。
ひとつはハンガー単独の箇所ともうひとつがフェイスアウトパイプとを組み合わせた箇所です。
一工夫したのはフェイスアウトパイプの取り付け方で、L型に曲げたFBを持ち出しブラケットの両端にローレットビスで固定しています。以下参照。
このFBにフェイスアウトパイプを溶接処理します。ただ、パイプの根元にFBを取り付けているため、商品を陳列するとパイプの先端がおじぎをするかのように垂れてしまいます。
そこで、この垂れを防止するためにハンガーパイプとの接点部分にゴムパッキンを取り付けています。上記の画像参照してください。
尚、実際に取り付けられた壁面の画像がありましたのでご覧ください。
まとめとして
今回の作図事例は、如何でしたか?
作図上で注意すべきことは、やはり、対荷重です。最も荷重がかかる根元の座をどこまでサイズアップできるかがカギとなります。
この作図事例では、色々協議を重ねて、150mm角のプレートで設定しましたが、このサイズは最小サイズととらえてください。意匠的に許せる範囲であれば、もう少し大きくした方が安全でしょう。
このショップ、実は売り場中央に大きな人工樹木を配置したりと、とてもインパクトのあるレディースファッションショップでした。
床と壁の仕上げをモルタル+エイジング塗装だったので、クラックが入りずらくするため、速乾性の材料を探したことを思い出しました。以上!
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