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インロー式で納めた固定棚とストックボックスの図面事例

インロー式01
Burberrys BLUE LABEL JR京都伊勢丹店_2002.07
■サイズ■仕様
W1800×D740×H2113
図面参照
バックパネル:AEP塗装
固定棚、ストックボックス:木染色CL仕上 
■備考
インロー式の基本です 

背景

当時、京都伊勢丹の作図フォローで、ヤキモキしているころ、他のクライアントから舞い込んできた物件。あまり気が乗らなかったのですが、「どうしても!」って頼まれ、仕方なく引き受けた仕事でした。もう20年近く前になるんですね。何だか懐かしいです。

作図説明

壁面に取り付けた間接照明付きパネルと固定棚の事例ですが、この手法は過去にも何度もやりました。このショップの統一意匠になっていてます。

といっても、このひとつのモジュールが、全壁面に展開され、同パターンが続くとちょっとうるさい気もしますが・・・。(笑)ですから、設計途中で2スパンごとにアイキャッチャー的なVMDスペースも施したようです。

壁面の内容は、概ね理解されたとして、本題へと進みます。今回は「インロー式」でも棚固定と、下部のストックボックスの収めがメインとなります。

通常、このような壁面棚造作では、下部のストックボックスは、一方向のキャスターを取り付けた内容が多いと感じられます。デザイン上、下部足元に空間を設け、間接照明を取り付けることは珍しいといえます。

縦断面図

これもデザインの一端ですので、知っておいて損は無いはずです。

また、このインロー式での棚の収めは、店舗設計をするなら必ずや、必要不可欠な収めです。

覚えておけば、きっと役に立つと信じます。ひとつの参考資料として、ご自分のものとしてください。

如何ですか?理解できますか?最初は厳しくても、しっかり読み取れば、自分のモノとなりますから・・・。

但し、下部のストックを浮かせて設置することは、かなり希なので知識としておいてください。

縦断面図を理解して頂いたとして、それではその収めを説明しましょう。

まず、インローパイプ(19mm×19mm)は、150mm×50mmのフラットバーの溶接されています。これを事前に壁面下地である、LGSないしは木軸などに固定します。作図はこのレベルまで描いてください。

棚部分詳細図

次に、棚板の厚みが40mmなので、固定用のインローパイプは棚厚の約半分程度を目安にして、今回は19mm×19mmとしました。

差し込みののり代として、360mmとしています。要は、480mmの棚板に対して、1/2以上の長さになるように設定しました。強度を増すなら、棚のデプスいっぱいまで持って行っても良いのですが、そこは無駄の内容にお考えください。

作図する上で、この棚板のデプスとインローパイプとのサイズ比率をある程度、覚えておくと非常に便利です。

これとは、別に気にかけることといえば、固定棚のワイドとインローパイプのピッチについてです。

固定棚に陳列商品の重さにもよりますが、一般的にワイドが900mmの棚に対してインローパイプは2本あれば強度は保たれます。

インローパイプのピッチは600mmから650mmの間に設定して、棚板のワイド芯で振り分けでおけば問題ありません。

今回の事例では棚ワイドが1800mmなので、ピッチを622mmとして3本のパイプで棚板を固定するようになっています。

後記

四方の間接照明が当たる壁面には、なんとも言えない雰囲気が漂います。やはりムードは大切なものと考えます。今回のインロー式での収めもこの図面を見れば一目瞭然だと確信します。

今思えば、インローパイプとバックパネルの補強金物が若干貧弱な気もしますが、納めとしては完璧です。それと下部のストックボックスのインローパイプを一回り大きなサイズにすれば良かったと感じます。

ちょっと笑けるのは、照明器具です。見ているとかなり昔の図面であることがよく分かりますね。しかしですね、器具は変われど収めについては変化することはまずありません。

所詮、このような収めは変化することは無く、今後も同じような図面を見ることとなるでしょう。

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