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《建具》特殊な鍵を使用したスチールドア(SD)の作図事例

■サイズ■仕様
W761×D32×H2311
三方枠:t=5スチールFB OP塗装仕上げ
建具:t=1.6スチール OP塗装仕上げ
ガラリ:25×12スチール角パイプ OP塗装仕上げ
■備考
図面参照難易度:中級者/★★★★☆

滅多にお目にかからない鍵とは!

今回は特殊な鍵を使用した鉄扉の作図事例をご紹介します。特殊な鍵っていっても『グレモン錠』のことなんです。しかし、この錠は、私もあまり使ったことはありません。

そんな、グレモン錠を取り付けたスチールドア(以下SD)が、今回の作図事例です。そして、この建具を空調器機の前に設置したわけです。

最近ではあまり見ない置き型の空調機器ですが、その空調機を隠すための目隠しと点検口扉を兼用した建具となります。ちょっと厄介な図面でしたね。

空調機器は、上には吸気、下には排気の開口が必要だったため、SDの上下にガラリらしきモノを組み込みました。そして、このSDを開閉するために取り付けのが、前述したグレモン錠だったのです。

グレモン錠については、以下サイトに詳しい説明がありますので、是非参考にしてください。
⇒ グレモン錠とは!

作図解説

それでは、解説していきましょう。その前に上の平面詳細図と下の断面詳細図をしっかり、読み取りましょう。

このグレモン錠は取っ手のハンドルと扉をロックする鍵が一体となった構造の特殊な鍵とお考えください。一般的には、ビルや商業施設に設置されている大型分電盤や壁面の点検口扉に良く使われています。

特徴としては、ハンドルの軸部分に取り付けられたロッドがハンドルを回すことで上下に伸びて、建具をロックするところです。

この作図事例では、建具を開ける頻度は、まず少ないだろうと考え、ハンドルを脱着式タイプにしました。

鍵のほかに、もうひとつ特殊なパーツを用いているところがあります。それは、鉄扉ではあまり使用することの無い重量用のスライド蝶番です。

建具の高さが、2000mmを超える鉄扉だと、通常では、Pヒンジか鉄扉用の大型蝶番を使います。

しかし、この建具にはスライド蝶番でも対応出来るように、加工を施してもらいました。

従来の鉄扉は簡単にいえば、鉄板を箱状にしたものですが、この建具には表面にしか鉄板を貼っていないのです。

ロの字型の骨組に弁当箱型のスチール板を溶接しただけの建具にしたので、従来のものより軽量化されています。その結果、スライド蝶番での対応が可能となったのです。ただ、ガラリによって開口が必要なため、この廻りにも補強をしています。

また、この建具を壁と一体化させる目的があったので、開口枠には5mm厚のフラットバー(以下FB)を施しました。

木製建具枠を下地として取り付けた後に、三方枠のFB枠をビス固定してあります。(a詳細図を参照下さい)
この手法はフレームレスの建具でもよく使われています。

作図ポイントとして!

作図ポイントは、ハッキリ言って全てだと感じます。というのも、普段描くSDとは、ほど遠いモノがあるからです。ですから、平面詳細図、断面詳細図の細部をしっかり読み取ることで、理解していただければ、それが作図ポイントとなります。

そして、以下の作図が理解したうえで、描けるか否かが作図ポイントととなるでしょう。かなり困難な作図です。
私も納めを考えるのに丸1日かかりましたから。

しかし、これも努力があっての賜です。一生懸命やれば、きっとあなたも描ける日が来ると思います。とにかく理解していただければ結構です。

まとめ

最後にこの事例で使用したグレモン錠やヒンジなどを下記に添付しておきますので、参考にして下さい。
⇒ ハンドル:末広金具株式会社 取り外しハンドル70H 
⇒ 蓋付きキーハンドル:末広金具株式会社 キーハンドル70 
⇒ グレモン錠:末広金具株式会社 24005キャビネット用グレモンロック
*廃盤商品のため画像がありませんが、構造を理解して頂くメーカーアドレスをお知らせしておきます。
⇒   重量用スライド蝶番:スガツネ J95

お願い致します!
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