大がかりで手間のかかるスチールドア
作図解説
この建具図は、店内を仕切るパイプシャッターの収納スペースをメンテナンスするための大型スチールドア(以後SD)なのですが、かなり珍しいケースなのでご紹介します。作図も厄介でした。
もう少し、考えようがなかったのかどうか、出来るものであるならば、当時の基本設計者に聞きたいぐらいです。
まあ、左の画像のようなパイプシャッターを収納するスペースと考えてください。(画像引用:三和シヤッター)
作図ポイント
さて、実施図面となるとその納めは、かなり時間を必要としました。というか、SDに関しては、通常のモノで作図としてはそれほど難解では有りません。
ただ厄介だったのが、パイプシャッターを出し入れするL字型の子扉でした。この納めについては、かなり考えました。半分参ってました。
15年前でしょ!私も納めについて発展途上だったのが原因かも……。
悩みに悩んだ結果、以下のようにまとめる事にしました。かなり良い納めになったと確信しました。
そして、最も気になっていたのは、この子扉の使用頻度です。当たり前に考えれば、ピアノ蝶番を使用していると考えられますが、なんせアジア諸国での施工ですから、どうなっていたやら・・・・。
竣工時の現場は見ることが出来ませんでしたが、当時連絡が無かったのでOK!だったんでしょう。
まあ、この現場に限らず私は外注での立場ですから、なかなか現場へは行く機会が無いのが残念に思われてなりません。しかし、要求されたことだけを一生懸命にすることが、今の私の仕事です。
尚、上の部分詳細図だけでは、作図説得性がかけるため、以下に平面詳細図と断面詳細図の拡大図を添付しておきます。
最後に、この事例で使用した建具用金物を下記に添付しておきますので、参考にして下さい。
ケースハンドルは、美和ロック U9HMDC-2型(図中の品番が廃盤なので、類似品を添付しました)
時代背景
店舗や商業施設の実施設計を行う場合、デザイナーやクライアントへの承認が必要な場合が多々あります。
国内での承認であればそれほど問題ではないのですが、海外となるとまた別の手間が発生してきます。
それは、仕上げや名称などに翻訳が必要になってくるからです。
業界の専門用語を日本語以外の言語で表現するには、やはりその国の言語に精通している方へ依頼するしか方法がなく、1枚の図面を仕上げるのに相当の時間を費やすことになりました。
それからは、一切海外物件の作図は依頼が来てもしないことにしました。手間ばっかり食って売り上げに結びつかない。のが理由です。
↓ ↓ ↓