作図説明
ショップファサードにあるブリックタイル貼りの柱とその前に設置したガラススクリーン詳細図が、今回の作図事例となります。
ブリックタイル貼りの柱はガラススクリーンが存在しなくても、色目や素材などで確かにインパクト感がありますが、そこにガラススクリーンを設置することで、荒削りなイメージが緩和して、若干ではありますが高級さ表現する手法です。
単に透過性のあるパーティションでは無く、見え方や雰囲気を変えることのできるフィルター的な使い方もできるので、私はこの手法はよく使いますね。
それでは、もちちょっと掘り下げて、その詳細図に移ります。
タイルや石貼り仕様の作図で必ず表現しておくべきことがあります。まず、柱のブリックタイルと見切り材の納め方です。以下、a部詳細図を参照ください。
今回の事例では、正面のみがブリックタイル仕上げで、柱の残り三面は塗装仕上げです。ですからこの場合、両側の小口にスチールLアングルを取り付けました
。見切りが明確なので、すっきりします。
ポイントは、Lアングルの長さ(固定側)には注意して下さい。
単純に同じサイズのLアングルにしてしまうと、ビス固定をする際、LGS(軽量鉄骨)の端ギリギリに揉み込むカタチになります。これではしっかりとLアングルの見切りを固定することが出来なくなります。
必ず、LGS(軽量鉄骨)の中心当たりにビスが来るようにLアングルの長さを設定して下さい。 場合によっては、LGS(軽量鉄骨)自体の向きも調整する必要があります。
また、ブリックタイルの厚みも均一ではないので、必ず一番厚みのあるタイルの見込みに対しての長さに設定して下さい。
次に、ガラススクリーンの納め方です。
このガラススクリーンのフレームの場合、A工事区分のとの取り合いで天井のPBは仕上がった状態での引き渡しでした。ですから、本来の納めは不可能なのです。
そこで考えたのが、以下にあります。まず、断面詳細図を確認して頂いてから各部の拡大図を見てください。
まず、天井部分では、下がり天井の段差部分にLアングルとフラットバーを溶接した下地をビスにて固定します。
その後、スクリーンフレームを正面からビス止めしています。固定するビスも意匠として見せているので、ビス頭をナット型にしているんです。b,c部それぞれの詳細図を参照ください。
そして、床面に関しても上部と同様に、T字型の下地プレートをアンカーボルトで固定した後、横フレームをボルトとナットで取り付けます。 この場合、アンカーボルトが丸見えになってしまって見映えもあまり良くありません。
しかし、納めは現場との取り合いです。時として旨く行くことはありません。、この程度であれば問題ないと考えるのですが・・・・・。
まとめ
作図の注意点ではないですが、工程として最初にスクリーンフレームを固定します。比較的現場での作業は簡単です。 しかし、ガラスを固定する押さえ縁を取り付ける際には、この図面では問題があります。
と言うのも、柱とスクリーンとの狭い隙間では、ビス固定は厳しいです。 この場合は、作図修正ですね!(反省材料)
誰が描いたか分かりました。現場経験の少ない人間が描いた模様。もちろん、ガラス押さえが、フロントから見えるのはヤバいですが、この場合やはり順当な施工方法を指示するべきです。指導者である私の責任です。ご容赦を!
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