
| ■サイズ | ■仕様 |
| W3000×D250×H800 図面参照 | サインボックス:ボンデ鋼板+シート貼り仕上げ サインベース:t3mm乳半アクリ 象嵌サイン:t15mm乳半アクリ |
| ■備考 業態:シネマ 作図日:2011.09.18 | ■難易度:中級編/★★★☆☆ 《SIGN_000》SIGNはサインを指します |
作図解説
今回は、映画館などの入口に設けるゲートサインの作図事例を紹介しましょう。
かなり以前に描いた図面ですが、象嵌サインの構造と、照明を組み込んだボックスの納まりを確認するには、参考になる事例だと思います。
商業施設内でよく見かけるサインも、いざ図面に描こうとすると手が止まることがありますが、外から見える形は分かっていても、文字の取り付け方や内部のつくりまでは、なかなか頭に浮かんでこないものです。
象嵌サインもそのひとつです。
板面に設けた文字形状の開口へ、切り出したアクリルなどをはめ込むもので、正面からの見え方と断面の納まりを合わせて考える必要があります。
今回のサインボックスは、幅2600mm、高さ800mm、奥行き250mmです。
ゲート上部に設置し、中央に文字を配置しています。本体は、20mm角のスチールパイプを骨組みとし、外装はボンデ鋼板の曲げ加工にシート貼りという構成です。
象嵌部分には、厚さ15mmの乳半アクリルを使用し、指定色のシートを貼る仕様となっています。さらに、厚さ3mmの乳半アクリルをサインベースとして組み合わせ、内部には照明を配置しています。
正面図で全体のバランスをつかみ、断面詳細図で文字・板面・照明の位置関係を追ってみてください。
作図ポイント
まず押さえたいのは、文字部分とサインベースの関係です。
正面図だけでは、文字の厚みや板面からの出方、裏側でどのように支えるかまでは伝わりません。
上の断面詳細図では、厚さ15mmの象嵌部分と厚さ3mmのサインベースを描き分け、押さえ材との位置関係を示していることを理解してほしいです。
ただし、この断面だけで文字まわりの加工条件がすべて分かるわけではありません。
製作へ進める際は、開口と文字の寸法差、はめ込み部分の加工形状、接着や固定の方法を別途詰めておきましょう。特に細い文字や小さな文字は、形状に応じた確認が必要になるはずです。
次に、照明と発光面の関係を見る。
図面には、照明用の取り付けベースとサイン面の間隔が描かれています。ここは、器具が納まるかどうかに加え、文字にどう光が届くかを考える部分。
照明の位置や間隔を寸法だけで決めず、使用する器具とアクリル、色シートを組み合わせて、明るさや光むらを確認してください。
もうひとつ大切なのが、背面のメンテナンス用開口である。
今回の断面では、背面中央にメンテナンス用のパネルを設けていますが、照明を組み込む以上、設置後に内部へ手を入れられる構造は欠かせないでしょう。
ただ、開口があるだけでは十分とはいえないので、パネルの外し方、工具を入れる位置、器具を取り出すための空間まで確認して、初めて使える点検口になります。
また、上部の支持部分と配線経路も、断面図で合わせて押さえておきたい箇所ですね。
その他・私見
サインは、施設の入口や行き先を伝える大切な要素のひとつです。
私は普段から、文字の形や色合い、背景との組み合わせを意識して見ているのですが、良いと感じたものは写真に残し、仲間にも共有してきました。
ただ、写真で分かるのは主に仕上がった姿なので、それを作図に生かすには、「裏側はどうなっているか」「交換するときはどこを外すか」と考えることが必要だと思います。
今回の図面にも、見直しておきたい部分はあります。
ボンデ鋼板の曲げ部分は、線の表現がやや分かりにくく、このまま製作図として使うなら、板厚と折り返し、部材同士の取り合いを整理したい感じです。
「意図は伝わるだろう」で済ませず、加工する側が、迷わない表現にすることが大切だといつも思って作図しています。
まとめ
象嵌サインの作図では、正面の文字配置に加え、アクリルの納まり、照明の配置、メンテナンスの方法を断面詳細図で伝える必要があります。
照明を内蔵したボックスという点では、一般的な行灯サインと共通する部分も多いなか、そこに象嵌文字の加工と固定の考え方を加えて整理すると、構造を理解しやすくなるでしょう。
今回の事例を基本にしながら、製作に必要な部分詳細を補う。見た目とつくり方の両方が伝わる図面を目指してほしい。
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