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《SIGN_009》行灯式ビジュアルサインの構造と開閉部の納まり

開閉式行灯サインBOX1
ダーバン名古屋三越店_2001.05
■サイズ■仕様
W920×D200×H2000
図面参照
本体:木ラッカー塗装仕上げ
盤面:t=5乳半アクリ+コルトンフィルム+t=5透明アクリ
フレーム:スチールFB+角パイプ溶接組ホワイトブロンズ仕上げ
■備考
業態:メンズショップ
作図日:2001.05
■難易度:中級編/★★★☆☆
《SIGN_000》は、sign(サイン)を指します

作図解説

ショップのファサードでは、ブランドイメージを伝えるためにビジュアルサインを設置することがよくあります。

現在では、LEDの普及に加え、デジタルサイネージなど薄型の機器を使った演出も増えました。表示する方法は変わりましたが、サイン本体の構造や固定、メンテナンスを考えるという基本は、今もそれほど変わっていません。

今回ご紹介するのは、以前(かなり過去)メンズスーツショップのファサード用に設計した行灯式ビジュアルサインです。

本体は高さ約2200mm、奥行き200mmの縦長形状で、内部に照明器具を仕込み、正面のビジュアル面を内側から照らす構造になっています。

正面から見ると、ごく一般的なビジュアルサインですが、作図で大切なのは正面の姿だけではありません。

照明器具をどこに取り付けるのか。アクリル板をどう納めるのか。そして、照明器具の交換や点検をするために、どこを開閉させるのか。

そのあたりを伝えるために、今回は断面図に加えて、上下のa-a’、b-b’部分を原寸の詳細図として描いています。

この2か所の詳細図が、今回ぜひ見てほしいところです。

作図ポイント

平面詳細図

まずは、サイン本体の骨組みから見ていきます。

外周はスチールのフラットバー、内部には25×12のスチール角パイプ、さらに25×25のlアングルを組み合わせています。

そのフレームの中に、t=5mmの乳半アクリル、行灯boxフィルム、t=5mmの透明アクリルを納める構成です。

ここで考えておきたいのが、内部のメンテナンスです。

照明器具はいずれ交換や点検が必要になります。そのため、正面側から内部へ手が入るよう、サイン面を開閉できる構造としています。

詳細図を見ると、開閉部分にはマグネットラッチを2か所設け、ピアノ蝶番を使って開閉できるようにしています。

 

断面詳細図

また、フレームとアクリルが接する部分には、グレーの光漏れ防止スポンジを貼っています。

これは光漏れを抑えるためのものですが、開閉時にアクリルとフレームが直接当たるのを和らげる役目もあります。

こうした小さな部材や納まりは、正面図だけではなかなか伝わりません。そこで部分詳細図を描き、各部材の位置や厚み、取り付け方を確認できるようにしています。

図面にはアクリル板の取り外し方向も矢印で記載しています。(平断面詳細図)

製作する側から見ても、こうした指示があれば、どの部材を固定し、どこを取り外せるようにするのかが分かりやすくなります。

そして、今この図面を見直してみると、ひとつ気になるところがありました。

鍵が描かれていません。(反省)

ショップのファサードに設置するサインですから、不用意に開かないようにしておいた方が安心です。今ならフレーム右側の中央付近に鍵を設けるでしょう。

昔の図面を改めて見ると、当時は気づかなかったことや、今ならこうするという部分も見えてきます。

その他・私見

このビジュアルサインは、構造そのものはそれほど複雑ではありません。

ただ、注意しておきたいのが本体の固定です。

高さが約2200mmあるのに対して、奥行きは200mmしかありません。かなり縦長の形状ですから、床面への固定方法はしっかり考えておく必要があります。

特に百貨店や大型商業施設では、床へのアンカーボルト固定が認められない場合があります。

その場合、「床固定」と図面に記載するだけでは不十分です。

床下地を確認して、どこへビスを効かせるのか。固定箇所をどの程度確保するのか。場合によっては周辺の造作と連結できないか…..。

現場の条件に合わせて固定方法を考える必要があります。

ファサードに置くものですから、見た目はできるだけすっきりさせたいところです。しかし、高さのあるサインでは安定性も無視できません。

見た目と強度のバランスをどう取るか。

このあたりも、背の高いサインを作図するときに考えておきたいところです。

また、今回の図面はかなり以前のものなので、照明器具などには時代を感じます。現在ならLEDを使うことで、内部の納まりはもっとコンパクトにできます。

今では、デジタルサイネージを使えば、表示面の構成そのものも変わってくるでしょう。

それでも、開閉方法、メンテナンススペース、光漏れ対策、配線、そして本体の固定など、考え方の基本はそれほど変わりません。

古い図面でも、現在の材料や機器に置き換えながら見ていくと、参考になる部分はまだまだあります。

まとめ

今回のビジュアルサインで見てほしいのは、正面から見えるデザインよりも、その裏側にある納まりです。

内部に照明器具があれば、いずれメンテナンスが必要になります。そのため、どこから開けるのか、アクリル板をどう外すのか、蝶番やマグネットラッチをどこに設けるのかまで考えて作図します。

さらに、高さのあるサインでは固定方法も大切です。

今回のa-a’、b-b’部分詳細図を見ると、姿図だけでは分からない構造や部材同士の関係がよく見えてきます。

サインの光源や表示方法は時代とともに変わってきました。

それでも、「どうつくるか」「どう開けるか」「どう固定するか」という基本的な考え方は、今もそれほど変わっていません。

姿図だけでは見えてこない部分を、断面図や部分詳細図で補っていく。

今回の図面を見返してみても、やはりこのあたりが作図では大切だと感じます。

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