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《建具図_026》左右引き分け型の木製引き戸の作図事例

■サイズ■仕様
W3600×D154.5×H2325
図面参照
枠:木下地ラッカー塗装仕上げ(白)
建具:木工化粧板仕上げ(白)
■備考
2019.11.27更新

背景

公共施設での設計業務は結構珍しく、過去の有料老人ホームの家具図があっただけと記憶します。今回は友人からの依頼で、彼の下請けとして設計参加しました。内容は、市営の図書館の実施設計で、施主との直接打ち合わせは一切なしという条件で進めました。

それほど大した内容では無かったので、すぐに済ませ従来の仕事に戻りました。あまり記憶の無い仕事でした。やたら建具図が多かったようにも感じます。

作図解説

建具の作図事例ですが、左右に引き分ける引き戸の事例です。言葉のアヤがちょっと引っかかりますね。この引き戸の特徴は、左右のどちらか一方の扉を引くと片方も同時に開く点にあります。

また、開いた扉はゆっくりと閉まるように上部の引き戸レールに傾斜が付いているのも特徴的です。病院や介護施設などではよく使われています。以下参考写真です。

イメージ

まずは、三面図をご覧ください。(トップの作図参照してください)

引き違い戸と類似した平面図ですが、2枚の扉が同一線上にあるのがお分かりになると思います。裏側からみた立面図は吊りレールのメンテナンス用ハッチが必要なので、高さが表側の枠外寸法(2125mm)よりも高い2325mmになっています。

続いて、拡大した各部詳細図を見てきます。

平面詳細図


a部詳細図では、2枚の引き戸の戸先のクッション材と、枠近くに取り付けたガイドローラーの位置に注目してください。戸先には双方の引き戸が閉まった時に破損しないようにクッション材を取り付けてあります。

このクッション材は吸音タイプのものもあるので、大きな音を出さずに開閉することができます。形状は様々ありますが、この事例に使用したクッション材の写真を参考までに添付しておきます。

次にガイドローラーの位置についてです。

このガイドローラーは、常に引き戸の底面に設けた溝に差し込まれた状態でなければなりません。ですから、開閉時の引き戸とガイドローラーとの位置関係が非常に重要になります。

引き戸のストッパーとしても利用するので、引き戸の移動距離を計算して適切な箇所へ取り付けるよう心掛けて下さい。

上記、b,c詳細図に断面図で主要な箇所を拡大して表現しています。レールに傾斜をつけているので、本体サイズは傾斜分を含めると約160mmになります。

しかも、一般的な吊りレールに比べて構造が複雑になっているので、必ずメンテナンスハッチが必要となります。

その為、ピアノ蝶番を使ってハッチを開閉できるようにしています。レール構造が理解できるように片引きタイプ引き戸ですが、参考写真を添付しておきます。

作図上での注意点としては、左右引き分けの引き戸を作図する上で、吊りレールのサイズが開口枠のデプスに大きく影響します。

その為、吊りレールを収納する部分の寸法取りを先に計算してから、開口枠サイズを設定するようにして下さい。

最後にこの作図は、2枚構成で処理しました。もう1枚の図面も載せておきます。

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