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VMD効果を狙った壁面造作の事例

間延びした壁面にならないこと!

以下の作図事例は20年前の図面ですが、見ていても古さは感じませんね。過去に携わった、とある海外ファッションブランドの壁面の一部です。

店舗の平面図資料はありませんが、恐らく奥行きのある店舗だったと記憶します。ですから、お客様を店の奥まで引き込むために設けられたVMDエリアと考えてもいいでしょう。

間接照明を旨く使った事例でもあって、この装置があるだけで来客を増やすには十分効果があると感じます。人ってインパクトのあるモノはいつまでも記憶の残るものですからね。

物件名:ヤングカジュアル 近鉄百貨店_2001.11
■サイズ■仕様
W2700×D110×H2188
図面参照
壁面:木下地AEP塗装(白)
ロイヤルニートハンガー NH19-25 L=300(クローム)ロイヤルハンガー
SB-25 L=1200(クローム) エンドHL-25
ロイヤルニートアーム NA-19 L300 エンドHL-19(クローム)
■備考
難易度:初級編/★★★★☆

作図解説

さて、事例は店舗内にあるストックとフィッティングルーム前の壁面に取り付けた間接照明付きのディスプレーパネルという説明でいいでしょう。

店内の一番奥に位置しており、大きな面でのディスプレーは店頭からでも視認出来ます。この設置場所の利点を活かし、売れ筋商品や人気のある商品をディスプレーするにはもってこいです。

パネルの四方には間接照明を施し、展示された商品がより浮き出る演出効果を狙った装置です。このゲートを括った中に間接照明を入れることは、かなりの店で展開していたと感じます。

また、自由度の高いディスプレー機能を持たせるために、事例ではロイヤルのニートモジュール(現在ではベルラ)を用いてハンガーやフェイスアウトフックを取り付けてあります。

場合によっては、ハンガーバーの他に棚を設けることも可能なので、様々なディスプレーに対応できるので個人的には、好きですね。スリット違い店格が上がりますね。

作図ポイント

今回は、壁面と間接部分に付いては、ありきたりの納めとなるのであえて説明はしません。たた、作図ポイントとまでは行かないまでも覚えておいて欲しい納め箇所があります。

それは、a部詳細図で表現している間接照明用カバーです。このカバーは左右の縦方向だけにしか取り付けていません。その理由は単純で、上下の照明よりも左右に取り付けた照明器具がお客様から見えやすいという点からです。

ただ、ビス固定するにはスペースが狭いので、マグネットシートでの脱着式としました。照明器具の取り合え時に、この照明カバーは少々邪魔になることもあるからです。

今回の作図事例で、ディスプレーパネルの他にもう一つご伝えておきたい納めがありますので、ついでと言っては何ですが……………。それは、丁度柱まえに取り付けたガラスの固定棚です。

壁面にチャンネルを埋め込んで、ガラスを差し込む収め方はこれまでにご紹介していきましたが、この事例では壁面が仕上げってからでも取り付け可能になっています。

ガラス棚以外は全て溶接処理で固定し、10mm×10mmのスチールチャンネルを壁面にビスで取り付けます。
その後、ガラスを差し込んでコーキング処理を施します。(この納め方も汎用性があります。)

最後になりましたが、断面詳細図を2点添付しておきますので、しっかり覚えておいてください。いつか、きっと役に立つはずですから!

A断面詳細図とB断面詳細図の違いは、読み取ってあなた自身で確認してください。照明カバーも確認出来ます。
この場合の機能面は、上部はフェイスアウト、下部はショルダーアウトという展示になります。

まとめ

今回の事例は如何でしたか? ちょっと簡単な作図だったと感じてますが、初心者の方にはいい勉強だとも感じます。

そして、ニートモジュール(現ベルラ)という自由度の高いディスプレー装置も理解したはずです。

普段使用するスリットに比べるとシステム本体は壁やパネルに隠れて見えることはありません。(上品)単に20mm程度の孔が空くだけで、それほど目立ちません。

しかし、自由度が高いからといって、いくつもの孔を空けるのおすすめしません。この事例にようにバランス良くピッチを決め込むようにして下さい。以上

ああ!参考写真忘れてた!それは以下です。壁面にマーキングしておきましたが、あくまでニュアンスですので、一度リサーチしてみてください。

お願い致します!
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