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《壁面造作什器》ブライダルショップのスクリーンケースの作図とは!

銀座三越5F ブライダル _2010.08
■サイズ■仕様
W1566.7×D110×H2613
図面参照 
サッシュ:SUS 鏡面角パイプ
ガラリ:t=5mm SUS 鏡面 FB溶接止め
レールカバー:SUS 鏡面曲げ加工
引き戸:t=10強化ガラス
■備考
2019.11.27更新

背景

ブライダルショップの設計に初めて携わったのがこの物件でした。また、この年って、やけにこの手の仕事が舞い込んできたのも確かです。物件は、ホテルや百貨店のブライダル関連でした。2010年って結婚ブームだったんでしょうかね!

作図説明

この作図事例は、ブライダルと言っても、主にウェディングドレスの販売とレンタルが主力商品だったと記憶します。そんな店舗に設置した壁面什器ですが、引き違いガラス戸の収めに苦労したのを思い出しますね。

この壁面ショーケースは、通常の衣料より大きいウェディングドレスですから、引き違い戸内墨から壁面までの奥行きを約1000mm確保するようにしました。

以下の作図は、最初の作図を理解していただくために拡大したものです。少しは分かりやすくなっているはずです。

さて、結婚式での主役でもある新婦の晴れの衣装とあって、とてもゴージャスで高価な商品です。ですから、デザインも特別感を醸し出すために、あえてショーウインドウと見たて全面ガラスの引き違い戸としたわけです。

確かに高級感を演出することは良かったのですが、空間的に排煙の問題と換気も気がかりに思ってました。

ですから、上部にはガラリを設けるようにしました。また、引き戸には2000mm以上の高さなので10mm厚の強化ガラスを使用し、支柱などのフレームも全てステンレス製にしました。

ただ、10mm厚のガラスなので1枚当たりの重量も相当重くなります。そのため、床面に戸車を内蔵したハカマを取り付けて安全性を高めたかったのですが、商品の全体を見せたいと言う施主さんからの要望で、私の案は却下されました。

これには、逆らえませんので図面の書き直しをしました。以下が、最終決定となった断面詳細図です。ご理解ください。

この事例で重要なポイントは、やはり上部のガラリと引き違い戸のレール取付部分の収まりです。

a部詳細図で各部の細かい箇所が見て取れると思いますが、さっと説明しておきます。以下の詳細図を見てください。

通常、基本フレームを組む場合には角パイプを1本で処理します。しかし、今回に限りサッシの奥行きがどうしても110mm必要だったのです。

そのため、60mm×25mmの角パイプ2本を溶接して連結させて基本フレームとしました。(天上面に接している金物パイプ)

金物曲げ加工に比べれば、比較的安価な材料費にはなりましたが、見た目はあまりおすすめできません。どうしてもパイプを連結した部分のラインが目に入ってしまうからです。

吊りレールの取付部も規格サイズの角パイプとフラットバーで構成しています。

続きに入ります。

A部平断面図では特注の引きて部分を、B部平断面図とスケッチではフレームの支柱を床固定する収めを描いています。

収め方については、天上面に接するフレームに溶接したボルトを差し込みながら、床固定金物にスライドさせて取り付ける仕組みです。その為、支柱の裏面には固定金物分の切り欠きが必要となります。

この収めは、金物に限らず木工にも応用し手いますので、しっかり覚えていただければ、嬉しいです。もし分かりづらいと感じたらお問い合わせください。

最後になってしまいましたが、ショーケース内部の断面詳細図も載せておきますので、参考になさってください。

後記

今回の作図事例で使用した引き違い戸のレールは、重量用タイプですが、メーカー側で推奨する引き戸の重さと高さの限度がありますので、問い合わせや、カタログでの確認は必ず行ってください

また、天井下地にボルトとナットにて固定していますが、総重量を考慮してスラブにアンカー止めする方がより安全性が高くなります。

お願い致します!
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