サイトアイコン 図面屋.com 店舗設計詳細図「虎の巻」

《DF_006》大小のテーブルを組み合わせたディスプレイ什器の作図

■サイズ■仕様
W1500×H750×D750
図面参照
フレーム:28×28平角パイプ/シルバーメタリック仕上
天板:シナ材 染色CL仕上げ
■備考
業態:アパレル全般
作図日:2010.08.25
■難易度:初級編/★★★☆☆
《DF_000》は、display fixtures(ディスプレイ什器)を指します

作図説明

国内でGAPの人気が急激に高まった頃、その売場の見せ方や什器構成を参考にした店舗が数多く見られました。特に量販店の直営売場では、似たような什器が各地に並び、どこへ行っても同じ印象を受けた時期でもあります。

今回紹介するのは、その頃に需要の多かった大小二台のディスプレイテーブルです。大きなテーブルの内側へ小さなテーブルを差し込む構成で、二台を重ねて使うことも、それぞれを離して使うこともできます。

店頭に配置する什器は、商品を販売する機能だけでなく、売場へ視線を引き込む役割も担います。このテーブル什器も、畳んだ衣類やバッグ、シューズ、雑貨などを置きながら、店頭の見せ場をつくるためのものです。

テーブルだけでも陳列パターンはつくれますが、アパレル売場では「置く」商品に限られてしまいます。そのため、シングルハンガーや一点掛けなどを近くに配置し、トップスとボトム、服とバッグといったコーディネートが伝わるように組み合わせます。(VMD)

大小のテーブルに高さと幅の差を設けたことで、同じ商品を並べても平面的に見えにくく、売場に段差と奥行きをつくることができます。小テーブルを引き出す量や向きを変えるだけでも印象が変わるため、売場変更にも対応しやすい構成です。

作図ポイント

この什器で最初に押さえておきたいのは、大小の天板間に確保する有効寸法です。

見た目だけで高さを決めてしまうと、小テーブル上の商品が大テーブルの天板に当たり、想定していた陳列ができないことがあります。

何を置くのか、商品を平置きするのか、バッグやシューズを立てて見せるのかまで確認したうえで、天板高さを決める必要があります。

特にバッグは持ち手まで含めると意外に高さが必要になるため、商品本体の寸法だけで判断しない方がよいでしょう。

また、小テーブルを二台使う場合や両面から引き出す場合は、奥行き方向の寸法にも注意が必要です。通路へ出しすぎれば動線を妨げますし、差し込みが深すぎれば商品が見えにくくなります。

平面上で最大に引き出した状態まで描き、通路幅と什器同士の関係を確認しておくことが大切です。

ちょっとニュアンスは違いますが、考え方は同じだと感じます。

構造は、28角のスチールパイプと木製の側板でまとめています。木部だけで荷重を受けるのではなく、内部にスチールフレームを通すことで、細い見付けを保ちながら強度を確保しています。

側板を固定するフラットバーやアジャスターの位置も、外観から目立たせず、製作しやすい場所へ整理しておきたいところです。

さらに、大小のテーブルを組み合わせた際に、フレーム同士や側板が接触しない程度の逃げも必要です。

寸法を詰めすぎると、塗装膜や製作誤差によって出し入れが重くなるため、実際の製作精度を考えた余裕を見ておくべきでしょう。

尚、以下詳細図は必須項目ですので、しっかり覚えておいてください。

図面屋として、何時かきっと役に立ちますよ!

私見・まとめ

当時はこのような入れ子式のテーブル什器を、本当によく見かけました。使いやすく、売場変更にも対応できるため、広く採用された理由も分かります。ただ、同じような形が増えすぎると、店舗ごとの個性が薄くなってしまうのも事実です。

什器の形を真似ること自体が悪いわけではありませんが、扱う商品や客層、売場の広さに合わせて寸法や素材を調整しなければ、その店に合った什器にはなりません。

今回の図面も、形としては汎用性がありますが、どの商品にもそのまま使えるわけではなく、最後は商品寸法と売場条件を確認して決める必要があります。

什器だけを見て考えるのではなく、商品が入った状態まで想像することが大切です。

最後に、大小のテーブルを組み合わせたディスプレイ什器は、今現在でも多く見られる什器です。単体使用、入れ子使用、分離配置など、複数の見せ方に対応できる使いやすい構成です。

その一方で、天板間の高さ、引き出し量、奥行き、通路との関係を整理しておかなければ、せっかくの可変性を活かせません。

見た目は扱いやすいテーブル什器ですが、作図では「何を、どの状態で置くのか」を先に決めること。そこが、この什器を売場で使えるものにする一番のポイントだと感じます。

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