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インロー式でのジョイントを用いた吊りボーダーの作図事例と詳細図

デイリーカナート ポートタウン店 _2004.10.
■サイズ■仕様

W6000×D2150×H650
図面参照
ボーダー:50×100スチール曲げ加工+焼付塗装 DIC-F2(シルバー)
吊りパイプ:16×40角パイプ焼付塗装 DIC F-2(シルバー)
■備考
2020.07.01

背景

この頃は、大型商業施設の環境設計を多くこなしていました。特に食品売り場の環境設計を多く手掛けていました。最初は、食品売場を毛嫌いしていました。

しかし、年に2〜3件も熟せば、なんとなくコツみたいなものが見えてきて仕事も楽になってきました。今回の事例は、そんな中での物件の一部です。

作図説明

物販店の壁面を飾る化粧棚や持ち出しサインなどを取り付ける場合、よく用いられる手法にインロー式の固定方法があります。

固定式のパイプフレームやハンガーなどにもこの手法が使われますが、このインロー式固定は、上記の他にも様々な用途にも応用ができる納めなのです。

そこで、このインロー式固定方法を応用した作図事例をご紹介します。

今回の事例は、スーパーなどの食品売場でのものです。平面図を見てた抱くと「ロの字型」のボーダーが確認できますが、これは、農産物売場でのもので、他の売場と差別化するために問い付けた吊りボーダーです。

主題としては、もちろんボーダー自体なのですが、W=6000mmあるボーダーを、どう分割して組み立てるかとが中心になります。

そこで登場するのが、インロー式でのジョイント固定です。ボーダーを分割式で納品して、現場で組み立るということなのです。(この手法はよく使います)

6000mm×2150mmの「ロの字型」のボーダーを設置しているのですが、比較的大きいサイズといえます。 この場合、工場によって焼き付け塗装を施す窯に入りきらない恐れもあります。

そのため、2000mm近似値のサイズでインロー式金物を使って分割することにします。 この分割部の片方のボーダーパイプ内部にインロー式の金物を溶接処理し、もう片側のボーダーを差し込んでビス固定するようにしています。(以下のジョイント部詳細図を参照ください)

ここで注意すべき点が一つあります。

それは、差し込むインロー式金物の長さについてです。 壁面の化粧棚を固定する時と同じように、差し込むサイズが短い場合、重力のかかる下方向への耐久力が非常に弱いです。

これは、インロー金物と差し込む対象物との接する面積が小さいことが原因です。 最悪の場合、この分割箇所を中心にして折れてしまう恐れもあります。 ですから、差し込むサイズを長くすることで、接する面を多く取り強度を増さなければなりません。

過去の経験上からこの差し込むサイズは、ボーダー本体のサイズによって多少変わってきますが、小さくても150mm以上を確保するようにしています。 (吊り棒にもよりますが・・・)

わかりやすいようにスケッチでもこの分割部分を描いているので、参考までにご覧下さい。

続いてボーダー本体についてご説明してきます。

100mm×50mmのコの字型に加工した上部に、補強用プレートを随所に溶接処理しています。 天井からの支持方法は40mm×20mmの角パイプをボーダー上部のプレートにボルトとナットを使って固定するようにしました。(ボーダー断面図を参照ください)

断面詳細図

ボーダー底面に取り付けた配線ダクトの線をボーダー内に通るために2本だけ配線開口を空けています。 平面図に赤と青の丸でそれぞれを囲いマーキングしています。

私が、作図上で気にかけることは、ジョイント箇所です。出来ることは支持金物(吊り棒)の近くで分割できるように位置を調整しています。 それによって、各ボーダーのカット位置(ジョイント)を決定します。

慣れれば、それほど難しくはありません。経験上様々な吊りボーダーの施工図を描いてきましたが、厄介といったものは最近ではほとんどありません。これも経験値ですね。

お願い致します!
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