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分電盤メンテ用スチールドアと象嵌サインが絡む柱図の作図事例

SHIPS 京都ポルタ店 _2014.02
■サイズ■仕様
W890×D968×H2475
図面参照
柱:t=8ケイカル板GLボンド貼り下地タイル貼り
分電盤カバーハッチ:t=1.6スチール曲げ加工+石目風塗装仕上
象嵌サイン:t=20クリアアクリ R面取り+特殊発光加工
光源:ダイカン導光板ユニット
■備考
2020.06.26

作図説明

柱サイン図の作図事例としても良かったのですが、注目していただきたい箇所がありましたので、こういうタイトルとなりました。それは、分電盤カバーハッチと象嵌サインの納まりです。

このダブルの建具の納まりには、苦労したので、かなりの時間は費やしました。おかげで良い納めになりました。

また、いつものようですがこの作図も2枚構成で描き進めました。

まずは、上部のメンテナンス用の分電盤カバーハッチについて進めましょう。

理想的な見え方はとしては、柱に使用しているタイルと同タイルを貼ったハッチ(扉)が本来の納めですが、既存のシャッターガイドレールとの兼ね合いで、躯体壁からタイルの仕上がりまでのデプスが、33mmしか取れませんでした。

この場合、タイルとのり代を合わせて、厚みは13mmが必要となり、ハッチと枠とで確保出来る寸法が、20mmになります。結果的にこの20mmのデプスでは、鍵や蝶番を収めることが不可能となりタイル貼り却下でした。

そこで、タイルに類似した石目風塗装に落ち着きました。(とほほ〜)

構造的にはシンプルで、スチールのLアング(30mm×30mm,30mm×15mm)でフレームを組み、同素材の箱状になった扉を分電盤専用の蝶番を使って開閉出来るようにしました。

この蝶番は、軸部分が表面に出ないタイプなので、すっきりとした見え方になります。鍵については、コインロッカーなどの扉でよく使われているカムロックと呼ばれる鍵を用いました。

ただ、このカムロックを使用した場合に、注意すべき点があります。

それは、鍵を回すと同時に背面の羽が、枠などに掛かる仕組みのカムロックは、羽が回転する軌道分のクリアランスを取っておくことが必要となるのです。そのため、このカムロックを取り付けた箇所の枠には羽が回転できるように切り欠きを設けました。

続いて、象嵌サインについてです。

このサインもハッチと同様にデプスが取れません。それに加えて、意匠的な問題もあり、ビスなどで固定することができない状態でした。サインはベースとなる5mm厚の乳半アクリと20mm厚の切り文字アクリを接着し、抜き文字加工したスチール製盤面の裏から差し込み、固定しました。

以下、平面詳細図です。上の断面詳細図と併せて理解していただければ幸いです。

光源には、狭い所にも取り付けができ、面発光が可能なLED導光板を使い、均一な光をアクリに当てることにしました。ただ、このサインを取り付ける方法がなかなか考えつかず、途方に暮れましたが、塗装が可能なコーキングがあると聞き、それで作図処理しました。

最後に分電盤カバーとサインを取り付けた面のタイル貼り部分についてです。シャッターガイドレールと躯体との間に50mmほどの隙間があるので、この部分には50mm×30mmの角パイプを下地補強として固定しています。

このパイプの位置は、タイルの仕上がり面からのりしろや下地のケイカル板厚を逆算して決めています。尚、今回の作図事例で使用した蝶番を下記に添付しておきますので参考にしてください。

作図の注意点としては、事例のようにサインと分電盤カバーを設置したことにより、タイルの割付のバランスが若干悪くなっています。

まあ今回は、ショップ内に位置する柱なので、タイルの割付を調整出来ましたが、仮に商業空間の共通環境柱であれば、フロアにあるすべての柱のデザインに関わってくるので、よく検討してから、タイルの割付方法を考えたほうが良いでしょう。

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