アイデアはガラスのパンプスを飾ったこと?
昔々、有るレディースの店舗を設計していて、デザイナーの女子にヒントを得て設計したのが、下の柱巻きです。建築の躯体柱?では無くあえて擬似柱を設け、そこに店舗イメージを高めるための装置を考えたのです。
約 φ2000mmもの大きいな擬似柱なので、最初はやや緊張気味でしたが、作図し続けていると『これはいける!』って感じましたね!
ポイントは、柱上部のガラスパンプスの展示です。これはさすがに婦人靴を思い出させますが、実はファンシー系のアパレルショップなのです。全体に淡いピンク系のショップでオープン時は人だかりだったそうです。
■サイズ | ■仕様 |
W1890×D1840×H2300 図面参照 | 柱:PB下地AEP塗装仕上げ、上部グラフィッククロス仕上げ ハンガーラック:φ25mmスチール丸パイプ ゴールドメッキ仕上げ 上部:面材取付け |
■備考 | |
難易度:中級編/★★★☆☆ |
作図解説
平面図を見てください。長方形に造った擬似柱の前方には、ガラス棚機能としています。そして上下には固定したをハンガーラック設けました。尚、この平面の半分(右半分)は平面詳細図となってます。見にくいとは思いますが、紙面の都合での表現です。
平面図の下に、それぞれ2面の立面図が表現されていますので読み取ってください。そして、柱上部には前述したガラスのパンプスが、ディスプレイされています。これにつても動きに変化を付けました。
以下の作図は、固定ハンガーラックの断面図ですが、補強は床ステージと柱から取っています。壁面の固定方法がビス止めとなっていますが、ここははインロー式での固定が望ましいと感じます。
床固定は、この納めで充分です。
★以下、インロー式での固定ハンガーラック参考資料
店内の柱巻を旨く活用した作図事例
次に、ガラス棚の断面詳細図を見て下さい。作り付けの什器ですから、それほど難しくはありません。ただ、平面図を見ていると整合性がとれていないのが気になります。尚、ダボねじでのガラス棚可動となります。
作図ポイント
以下が今回のアイデア部分です。この柱廻りに流れるような、ガラスパンプスをディスプレイした箇所ですが、以下がですか?
あまり豪華すぎて、下部の什器が惨めになるぐらいです。ガラスパンプスをディスプレイするアイデアは、クライアントの女子でしたが、『夢見る女の子?』って感じの方で、店舗もそんな風に仕上げています。
問題は、ガラスパンプスの取付けにありました。図面を見ていただければお分かりのように、事前に壁面から、φ6mmスチールパイプをインロー受けパイプとして取り付けます。
その後、φ4mmのスチールロッドを差し込むようにしています。傾き防止も付けています。これでガラスパンプスも落ちることはありません。
納めについては、作図をしっかり見ればそれほど難しくないと感じます。厄介だったのが、流れの位置づけとガラスパンプスの数量だしたね。かなりの時間を要しました。
後記
この作図は、10年以上も前のモノですが褪せてはいませんね。この仕事、かなりのセンスは要求されましたが、しっかりコミュニケーションを取ったおかげで成功した一例です。
店舗設計は必ずしもひとりの設計者でなすもんではないと思ったのもこの物件です。ディスカッションしてアイデア出し合うのも、良い店、人気の店を造るための手法です。
格好つけて、よがってるのも良いですが、たまにはみんなでお店づくりをするのも、良いと考えます。お店は、みんなの努力の賜であり、お客様のものでもあります。
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