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《環境造作》ショーウインドの姿図とシャッター部詳細図

汎用性はないが経験値としては重要

今回の作図事例は、大型ウインドウとそれに絡むシャッターです。特にシャッターガイドレールの納めについてしっかり見て頂こうと考えています。

滅多に見ることの無い図面ですし、恐らく汎用性は考えられないとは思いますが、これも経験値、見聞力を高めるためには必要だと判断しました。興味のない方は特に時間を浪費することはありません。

ザックとみても、わくわく感はありませんから、建築絡みの図面というものはこんなもんです。が、これを描いたから魅せもちゃんと竣工できました。

作図説明

それでは作図解説といきましょう。まず、上の作図をご覧になってください。

ショーウインドの外観図が右下でまとめられています。そして、その上部にガラスウィンドのエンド部の詳細図があります。そして、右横に厄介なシャッターガイドレール部分の詳細図が見て取れます。

尚、ウインドウの納めは上下のスチールサッシュに10mm厚のガラスを上げ落とし式で取り付けています。ですから、納めについては特に問題はないでしょう。(a部詳細図を参照下さい)

しかし、シャッターのガイドレール部分の納まりについては、この図面では重要な作図です。まぁ、参考にはならないと思いますが、ここは経験値を積むつもりで読み取るようにしてください。図面を読めることはとても大切ですから。

作図ポイント

ではまず、シャッターのガイドレール部分について進めます。この部分を拡大した詳細図を見ながらご説明していきます。(b部詳細図)

シャッターを取り付ける所は法規上、防炎仕様でないといけません。その為、周りの環境も下地材も含めて不燃材を使用する必要があります。

この事例では、シャッターのガイドレールを鉄骨と角パイプによって下地を組み、ケイカル板を貼って人造大理石仕上げにしています。

ここで、特に注意すべきは、シャッターのガイドレールが奥まったところにある点です。シャッター自身を注意深く見てみると必ず一番下(底部)に、逆T字羽根のようなプレートが付いています。

座板と呼ばれるもので、シャッター本体よりも見込み(奥行き)が約1.5倍程大きいくなっています。このままシャッターを取り付けてしまうと座板が既存のガイドレールまでの開口部分に引っかかってしまい、閉じる事が出来ません。

そのため、この部分だけ底板をなくすというか、羽をカットするが必要があります。メーカーによっては、シャッター自体の形状に違いがあります。

ですから、底板の大きさも変わることがありますので、必ず座板のサイズも考慮して開口等の寸法設定をしなくてはなりません。この辺りは、しっかり押さえておいて下さい。

座板イメージ引用元:シャッター保障株式会社 

次にここでは、あまり詳しい説明はしませんが、大切な場所でもありますので少しだけお話しします。それは、
ショーウィンドへの出入り口用の2重建具です。

建具は、特別な条件が無い限り内部の壁ライン合わせにします。これは内部を極力フラットな壁で囲い、ディスプレー等の演出に無駄なものを見せないようにする必要があるからです。

当然、建具も物理的に必要なものですが、極力目立たないようにしなければなりません。もちろん、丁番や取っ手も含みます。そのため、この図面では隠し丁番を使用し、枠も見せない様にしています。

作図上での注意点しては、隠し丁番を使った建具の開口軌道です。通常使用する平丁番では軌道のシュミレーションは容易にできますが、この隠し丁番はちょっと難しい動きになるので、なかなかシュミレーションしにくいのです。

金物メーカーのカタログやホームページなどで必要最低限なクリアランス、適応できる建具厚等を調べてから適切なものを選ぶようにして下さい。

後記

さて、如何だったでっしょうか!ちょっと厄介でしたね。私も疲れました。
しかし、プロになると毎日のようにこのような作図を要求されます。この作図は、私がまだ若かりしころの図面なので、美しくはありません。

皆さんもプロを目指すならば、いつかきっとこのような作図を描かなくてはならない日が来ます。ですから、日々努力して、難しい、厄介な図面を読み取る訓練が必要です。

これからも、あまり汎用性がないですが、今回の事例のような作図を探してみますので、楽しみにしておいてください。ありがとうございます。

ちょっと忘れていた詳細図ありました。下部の詳細図は何処か分かりますよね!!

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