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《フロント》雛段式テーブルの姿図と断面図

イズミヤレ服飾雑貨_2007.06
■サイズ■仕様
W1880×D900×H1160 本体:化粧板仕上げ
脚:スチール角パイプ(クローム) 
■備考
2020.06.29 

背景

2007年、この頃はやたら有名処のスーパー(GMS)が出店ラッシュだったと感じます。今回の事例もそのひとつ。もともと私は、商業空間での環境設計が専門でしたが、直営売り場の設計に手が足りないことで作図フォローとして参画。

服飾雑貨の売り場でしたが、ほとんどがマニュアル化された作図に手応えがなかった事を覚えています。

作図説明

ディスプレーテーブルをご紹介しようと思いますが、自在に分割して設置も可能なテーブル什器です。900mm×940mmとほぼ正方形に近いサイズのテーブル2台を連結させ、スチールパイプフレームの上置き台を2台乗せて構成する什器です。

設計当時がちょうどGAPの店造りが注目されていて、こぞって什器などを真似ていました。このテーブル什器も同様に形状を替えて、GAPの什器と同じような考え方にしています。

ただ唯一、テーブルを連結させる方法に十字型の金物を使用い、アレンジを加えています。

従来の店舗で、事例のようなテーブルを設計する場合には、連結金物を天板の裏面に取り付けて、出来るだけ隠す手法をとりますが、今回はあえて意匠としても見せれるような連結方法にしました。

取り付け方は簡単で、連結金物のパイプよりも少し大きめの穴を開口に設けて、差し込むのみです。(a部詳細図を参照下さい)

この時注意しておくのが開口の深さで、あまり深すぎると埃がたまる原因にもなり、逆に浅すぎるとすぐに抜けてしまう恐れがあります。

単独使用の時には開口穴にキャップを被せる事も考えましたが、小さいパーツだけに紛失する可能性がありました。

結果、それぞれのテーブルを単独で使用する場合の見え方も考慮して、開口穴が目立たず、かつしっかりと連結できる適度な深さにするため、25mmの設定にしました。

テーブルを支える脚も通常よりも少し替えた位置に取り付けています。一般的には、テーブルの角と脚の角を合わせることが主流ですが、今回は全ての脚が内側にくるようにしました。

特に安定性や強度に対しての問題はなく、単に意匠的に取付位置をかえているので、これについては自由にアレンジしてもらっても良いと思います。最後に、上置き台についてです。

テーブルを連結させた場合に活用できる上置き台ですが、テーブルを単体で使用した場合の事も考えて、上置き台も2台に分けておいても良いでしょう。

今回は意匠的に連結金物を見せていますが、裏面で連結させる場合に使える既製品がありましたので、参考程度にご覧下さい。

スケッチの必要性

ここでは、スケッチの必要性をお話しします。この1枚の作図スペースに、3つのスケッチを入れています。私の場合それぞれのフォルムが見えにくい場合に限り出来るだけ理解を深めるためにスケッチを入れます。

しかし、作図での見え方とスケッチとでは、クリティカルに言えば若干の違いが発生するときがあります。スケッチでの表現は、あくまでも詳細図では見えない所を補助する表現方法なので、何でもかんでもスケッチで処理をすべきではありません。必ず詳細図ありきで作図をすることを心掛けることが大事だと考えます

後記

当時は、GAP(ギャップ)の売り場がとても人気で、どちらの店舗とは言いませんが、これに類するオープンテーブル什器を目にしました。店頭のフロント部に配置すると効果を発揮しますからね。

「見せて、売る」。まさにVMDを意識した什器ですね。商品は、アパレルでも服飾関係の商品でもマッチします。デザイン的にシンプルなので、とても使いやすい什器と考えます。

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