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パウダールームのカウンターの作図事例

銀座某百貨店_ブライダルコーナー
■サイズ■仕様
W772×D350×H2350
図面参照
壁面:AEP塗装仕上げ(白)
カウンター:人造大理石貼り(白)
■備考
2020.03.30更新

背景

この頃って、この業界のクライアントは、猫も杓子も「パウダールーム」を意識しろなんて言ってましたね。この施設にも同様で女性トイレには 「パウダールーム」を各階に義務づけられたそうです。

おかげで、私は改めて人間工学で定義された寸法の重要性に気付かされたことを思い出します。今では当たり前の空間ですが、当時は新鮮でした。

作図説明

今回ご紹介する作図事例は、女性目線に立った女性用トイレのパウダーカウンターです。三面図とその詳細図となりますので、しっかりお勉強してください。

女性の化粧直しや髪型をチェックするなど、パウダーエリアで重要なのはミラーとカウンターにあって、近年ではこのこの2つの要素に3つ目の要素が不可欠となっていつようです。

それはプライバシーです。

女性同士がの視線を合わせないように、スクリーンなどを設置したりレイアウトを工夫して、パーソナルな空間造りにしている施設も見受けられます。

まずは壁面に設置しているミラーについて説明していきたいと思います。

断面図と断面詳細図

女性が、洗面台でメイク直しをする時は、ミラーまでに距離があるので前のめりな姿勢になります。 この状態では、なかなかメイクに集中できません。

そのため適度な距離感のあるミラー位置がポイントとなります。 カウンターの先から約200mm程度の位置にミラーを設定すればリラックスした姿勢で鏡を見ることができます。

設置高さについては人の目線高さでもある床から1500mmの位置にミラー芯を設定すると良いでしょう。 そして、ミラーパネルの背面に間接照明を取り付けて、柔らかい光で周りを明るくすることも欠かせない要素となります。

続いてカウンターについてです。 カウンター部を拡大してみました。

部分詳細図

パウダーカウンターの最低条件として、化粧品やポーチなどを置くスペースが十分に確保されていることにあります。 あまり奥行きを取りすぎると前述したように、鏡までの距離が長くなって無理な姿勢になってしまいます。

そのため、ミラーパネルとの位置関係もふまえて壁から250mm〜300mmまでの設定が望ましいです。 仕上げについても、汚れや水垢に強い人造大理石が適しています。

カウンターの固定方法は、左右の方立てに取り付けたLアングルで天板を受けます。 この場合、人造大理石に直接ビスを打つことができないので、下地材の白ベニヤにビス止めをして固定しています。

天板の右側に半円分だけ切り欠きいた箇所には傘を立てれるように工夫もしています。 (以下作図参照)

平面詳細図

最後にカウンターを間仕切るスクリーンです。

このスクリーンでは取付ピッチが重要です。 パーソナル空間といっても狭い空間では落ち着いてメイクすることができません。

そこで、各カウンターのワイドを隣同士が気にならない程度の700mm以上を確保してガラススクリーンを設置しました。

スクリーンは、5mm厚の合わせガラスとし、間にファブリック生地を挟み込み、視線を遮るようにしました。

後記

最近では、当たり前に設置されているパウダールーム、パウダーカウンターですが、特にパウダーカウンターや洗面台の設計では、目線の高さや姿勢などの人体に関わる寸法が大きく関わってきます。

機能的な寸法を把握すると共に、女性目線を意識した空間が求められます。男性である私は、聞きはしますがなじみの内空間です。設計の際は女性スタッフを参加させるのもひとつの手です。

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