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《建具図》和風テイストの木製引き戸の作図事例

はじめに

当時(2005年)は、この物件と平行して米子の駅ビルのリニューアルにも関わってましたので、ついでと行っては失礼ですが、オーナーさんと意外と気が合ってプレゼンから実施設計まで手掛けました。

業態は蕎麦屋で、久しぶりの和食店だったのでやや緊張気味でしたがそこは経験値がものを言うところでした。

尚、今回は2つの内容があります。「行灯サイン」「木製引き戸」です。
共に汎用性があると思われるので、しっかり覚えてください。

それでは進めていきましょう!

以下の図面は、この店のファサードに当たるエンタランス部で、左側にはメニューケース少しだけ(破線)表現されています。

シャミネ松江 大橋そば _2005.05
■サイズ■仕様
W806.4×D110×H2188
図面参照
枠:t=3.2mmスチール平板焼き付け仕上げ(白)
建具:木工化粧板仕上げ
■備考
難易度:初級編★★★★☆

作図解説

まず、行灯サイン部から説明します。

作図にあたり、行灯部分は間仕切り壁と同サイズの奥行にするという条件がありました。

その理由は、店内側をスッキリした壁として見せたいという要望があったからです。
今では、照明器具もLED化が進み、狭いスペースを気にすることなく納められました。

しかし、当時ではエースラインが主流でしたので、行灯内部の寸法を工夫しました。
その結果、背面パネルをコンパネにすることで、行灯内部の内寸を64mm確保できました。

一般的にサインの盤面から照明器具までは、約100mm程度離せば、器具が写り込むことはないといわれています。今回の事例はというと、38mmとなっています。以下の作図(a詳細図)で確認できます。寸法を赤で示してます。

それでは、本題でもある「木製引き戸」について進めましょう。正確には、木製格子戸と呼んだほうが適切です。上の平面詳細図がやや小さめなので。拡大図を添付します。

以下の作事に目を通してみてください。

かなり丁寧に描いていますので、自分のものとして真似ってください。このような図面事例はなかなか手に入りませんから!

この平面詳細図、全く非の打ち所はありません。

ですから、作図をしっかり読み込んで理解すれば良いでしょう。

以下のこの引き戸の断面詳細図も載せておきますので、ここで一旦、平面詳細図と断面詳細図を見比べて、構造や納めを確認してください。

それでは、最後の作図に進みます。
断面詳細図、同じものが2つありますが右側を読み込んでください。拡大図の方です。

しつこいぐらいに、この断面詳細図がありますが特に意味は無く、製作図面として提出図面が以下であり、最後の拡大図(以下の以下)を見るのが良いかもしれません。

この引き戸の特徴はレールと戸車にあります。

通常の木製引き戸れあれば、開口枠に埋め込んだレールに吊り金物を取り付けて開閉させます。
そのため、レールと吊り金物選びが大きなポイントとなります。

しかし、この事例でのポイントは吊りレールではなく、引き戸の底面に取り付けた戸車にあります。
以下、断面詳細図を見ればよく理解できます。

前述の行灯部分も、拡大図でよく理解できると感じます。併用してください。

上部のレールは、単にガイド用の溝として利用し、引き戸の開閉には戸車が主となります。しかも、店舗の出入り口用引き戸なので開閉頻度は高く、車輪の消耗も激しいでしょう。

ですから、耐久性の高い重量用タイプが最も望ましいです。また、床面には必ズレ止め用の金物が必要ですので、忘れないようにして下さい。

作図の注意点今回の事例では、戸車単体を使用していますが、よりスムーズな開閉とズレ止め防止にもなる戸車用のレールがあります。

このレールの種類も数タイプあります。下図を参照ください。

画像引用元:ATOM LIVINTECH:https://direct.atomlt.com/hikido/



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