木製建具には面材がお似合い
建具にも様々な意匠がありますが、個人的には面材を取り付けるのが好きです。今回の事例を見ていると欧州の館が目に映ります。
オーソドックスで、何か気品を感じますね。落ち着き感も伴います。さて、さて、そんな面材を多用した建具が、今回の作図事例となります。
■サイズ | ■仕様 |
W1800×D70×H2100 図面参照 | ナラ材OS CL仕上げ、面材同仕様 新規:ユニオン No.T8901-001 ロートアイアンブラック |
■備考 | |
難易度:初級編/★★★☆☆ |
作図解説
私の記憶では、確かホテルの宴会場やホールの出入り口だったと思います。もちろん、一般的な施設などにも汎用あります。そして、よく見られる観音開きでの建具図です。
この案件は改装物件だったので、開口枠は既存のままで、建具のみを入れ替える工事でした。 ですから、私が通常描く建具表現とは、少し違いがあります。
また、作図時点で既存の建具厚や枠の細かいディティールまでの調査と採寸が、できていなかったため、想定で作図している箇所もあります。 そのため、この作図事例は意匠図の一例としてご覧下さい。
この建具、開閉する頻度が高い場所への取り付けなので、施工時にはドアストッパー用にコンシールドを取り付けたと、後で聞きました。
作図ポイント
不確定要素の多い建具ですが、最も気になる点が一つありまましたので、お伝えしておきます。
それは、蝶番についてです。
当初の図面上では、普通蝶番で作図はしていましたが、既存枠よりも建具が奥まった所に、なってしまったのです。結果、このままでは建具と枠が干渉してしまって完全に開く事ができないと思いました。
そこで、奥まった建具でも取り付けが可能で、耐久性もあるフロアヒンジで描くことにしました。ただ、既存枠を若干加工しなければならなかった。
加工箇所は、以下のようになります。ここを加工しなければ、開閉できないのです。この事例図面では書き直しはしていませんので、以下の箇所は意識しておいてください。
尚、この作図は同物件で、別の開口枠に取り付けた建具の修正カ所です。今回と同じ面材の枠を既存利用したのです。以下サイトを参照してください。
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作図上での注意点としては、フロアヒンジを取り付ける場合には、床面に埋め込むためにハツリ工事が発生します。改装工事ではこのハツリ工事を禁止している場合もあるので、事前に確認をすることが必要です。
尚、この物件は自社物件だったので、問題はありませんでした。最後に断面詳細図も付けておきますので、参考にしてください。
最後に、有益な参考サイトあります!
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