■サイズ | ■仕様 |
W800×D920×H2400 図面参照 | 開口枠:木下地AEP塗装仕上げ 建具:木下地 ウルトラスゥエード巻込み 化粧ベルト止め金具:スチールt=6FB 焼付仕上げ |
■備考 | |
背景
当時2007年頃は、とにかく海外スーパーブランドのショップの図面受注が多かった。世間では、スーパーブランドのちょっとしたブームでした。
基本的には、マニュアルデータはすでにありましたので、作図は、ただややこしいだけで、じっくり取りかかればそれほどの難儀はありませんでした。
私は、この頃大型物件のデレクションに関わっていたので、スタッフがこれらの物件の熟していたと記憶します。
作図説明
それでは進めますが、この作図事例は一風変わった建具であって、滅多に見ることの出来ない代物だと感じます。
まず、その特徴の一つとしては開口枠です。
一般的な建具は三方枠が主流ですが、この事例ではコの字型のフラットバー(以下FB)が、化粧枠となっています。
開口上部と床面には意匠としてボルトとナットはそのまま見せています。
FBの化粧枠は開口補強として取り付けた壁厚と同じサイズの木枠に10mmの底目地を設けて固定しました。
この底目地は10mm×30mmの角パイプで化粧枠に溶接処理にて取り付けてあります。
次の特徴は、本革の化粧ベルトをアンティークな革鞄のように取り付けている点です。
建具の小口に1.6mm×15mmのFBでビス固定し、建具裏面にはバックル型の金物に通しています。
そして、建具自体にはショップイメージに見合った高級感を演出するために、スウェード巻き込み、四方のFBフレームで押さえつけています。(凄い)
また、建具に付属しているレバーハンドルもスチールパイプ下地+本革仕上げとなっていて、打掛錠までも全て特注品となっているので、まさに贅の極みです。
とてもシックで豪華な建具に仕上がったようですが、唯一この建具と意匠的にも合うヒンジが見つからなかったので、設計途中で保留扱いになり、そのまま現場送りとなりました。
意匠を考慮すれば、ピボットヒンジかスプリング式のヒンジが適しているのです。
しかし、これらのヒンジは化粧枠と建具との間にある15mmの隙間に対応できる理由から判断しています。最終的に軸吊りタイプのヒンジになったと思います。
作図上での注意点と言っては何ですが、ヒンジが保留となっていたので、ストッパー機能があるかどうかがこの時点では不明です。
しかし、開閉時の衝撃を吸収するクッション材は必要です。もっとも最適な場所は打掛錠に取り付けている戸当たり用のFBです。
最後に、建具の描き方について有益な情報があります。
今回から、ちょっと指向を変えて作図方法などを伝えようかと思いつきました。 第1回目として、『基本的な木製片開き戸の作図方法』からはじめていきます。 店舗には無くてはならない『建具』! 今回は簡単な、木製の片開き戸です。 …
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