インロー式は多くの什器に活用される

このインロー式での納めは、多くの箇所に活用されています。代表的な納まりは、壁面の棚の取り付けです。ただ、固定となるので設計者は、クライアンとよく協議した結果で設計してください。

中には、可動棚出ないと駄目だ!って言う御仁もおられる故、この辺りは慎重に打ち合わせを行うことにしましょう。でないと、とでも無いことになります。

それでは、そのインロー式で組み立てた什器の作図事例を見ていただきましょう。

物件名:GUESS マニュアルより 1999.9.13
物件名:GUESS マニュアルより_1999.9.13
■サイズ■仕様
W1600×D1050×H1270
図面参照
フレーム:25角スチールパイプ ホワイトブロンズメッキ
天板:木工下地ラッカー塗装仕上(赤)(プロセスサイン白)
棚:シナCL仕上
■備考
2019.11.27更新難易度:初級編/★☆

作図解説

それでは、什器を見てください。シンプルなフォルムをしたオープンタイプの棚什器です。箱状になった天板だけに、ショップのポイントカラーである赤色のラッカー塗装仕上げにしています。

中棚はシナ材のクリアラッカー仕上げになっているので、天板の赤がとても際立っています。しかし、この什器は、マニュアル表に有るだけで、その作り方まではマニュアルには有りません。

簡単な仕口に思われる什器ですが、これが結構厄介な代物でした。どいうのも、棚板サイズが基本フレームより大きいのです。ということは、パイプを分解して組み立てとなります。

それは、棚の受け方と基本フレームのジョイントを、どうすれば見た目も良く、且つ頑丈に納められるかが、勝負です。

ポイントはインロー式

まずは、以下の部分詳細図を見てください。理解できるまで、しっかり読み取ってください。この箇所が、棚1枚に対して4箇所あります。思うに、作図は出来ても強度については気がかりですね!

最下段の棚からくみ上げていく感じを想像してください。この想像力こそが、納めを考えるにあたって大切なことです。私は、よく目を閉じて想像します。

ジョイント前とジョイント後を表現した二つの詳細図をご覧下さい。

では説明していきますが、理解しやすいように基本フレームジョイント部を拡大しました。以下は、インロー式で、ジョイントする前の状態です。

まず、棚板には22mm×22mmの角穴を開けます。棚を挟んで上下にあるのは、それぞれの棚間にあるフレームの支柱と考えて下さい。支柱の上部には予め、棚の開口に合うインロー式パイプを溶接しておきます。(詳細図の②部分)

棚板は4本ある支柱を繋ぐ横フレームに乗り、インローパイプだけが差し込まれます。そして、上段用のフレーム脚の底に溶接しておいた19mm×19mmの角パイプ(詳細図の①部分)が、下段のインローパイプ内に差し込みます。

取り付け後の詳細図は、2枚目の作図です。棚板の振れ止め下で、インローパイプをビス固定しているのがおわかりになると思います。

後記

作図の注意点
この什器で唯一不足しているのが照明器具です。
木棚で構成した場合のオープン棚什器では、棚板の影で暗くなり、折角の商品が映えなくなってしまします。
全体的にスリムな什器なので、外観を壊さないように薄型のLED棚下照明が最も適しているでしょう。

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