遮音タイプの建具事例は、めった描くことはありません。
しかし、ホテル関連の建具に関しは必須です。だからといって作図はそれほど難しいものではありません。
建具内に遮音シートや遮音用のウレタンなどを表現すれば良いだけです。
ただ注意が必要なのは、その遮音材が入るだけの厚みが必要というだけです。
まず、以下の図面を読み取りましょう。(15分)
■サイズ | ■仕様 |
W1800×D293×H2050 図面参照 | 枠:集成材+不燃突板(柾目)練り付け OSCU仕上げ 建具:木工不燃突板(柾目)練り付け OSCU仕上げ※内部にグラスウール充填 |
■備考 | |
難易度:中級者/★★★☆☆ |
作図解説
この作図事例は、ホテル内に必ずある施設、宴会場の設計したときに描いた図面です。
タイトルは、『宴会場などで使用する遮音仕様の木製引き戸の事例』です。
このサイトでも建具に関しては多く掲載していますが、遮音仕様での建具図面は少ないと感じ、投稿に至りました。
重複しますが、遮音仕様だからといって作図が大きく変わることはありません。
ただ、フラッシュ仕様で作成する建具内に遮音材を充填するだけです。
ですから、作図ではそれなりの表現(大きな波形)をすればいいだけです。(図面参照)
以下が平面詳細図となります。
上記で、何やら波形が表現されているのが確認できます。
引き戸の遮音材が充填さていますが、壁面内部にも同仕様とします。表現はこれだけで良いのです。
これだけの表現で、『遮音扱い』と見なされます。簡単でしょ!
ただ、注意点があります。(ここで遮音の件は一旦終了)
それは、引き戸には必ず引き残しを考えておいてください。
そうでないと建具に付いているハンドルに手を挟む恐れがあるからです。
音階の事例では、ちょっと見にくいので、他のサンプルを添付しておきます。
これだと理解出来ますね!
以下のサンプルも安全を考えてのことです。
それでは、次に縦断面詳細図も載せておきます。
ここでは、上部の吊りレールと下部のガイドが確認できます。
壁面の厚みが,やけに大きいと感じますがこれは建具の戸袋で起きた結果です。
ありがちな事例かもしれません。
今回の作図事例では、一次側(建築工事)での壁面を終えてから、内装工事側での壁面を増設しているので、かなり厚い壁面になっています。
これについては、工事区分の関係でこうなりました。
ですから、遮音工事は内装側で仕上げることとなりました。
断面を見る限り、上記のような表現になっていますが、二重壁面になっています。
宴会場ですから考えようによってはこの方がよかったように思います。
さて、建具や壁面に充填する遮音材について・・・・・。
そのほとんどが、グラスウールと遮音シートを使用します。
どのような材料かを実際に知っている方は多くないと感じますので、参考写真を添付しておきます。
以下参考資料としてください。
あくまでイメージ写真ですので、興味のある方は、一度ご自分でもお調べください。
まとめ
今回のような遮音仕様の引き戸は、別に特別のモノでは無く、主に住宅や病院などでは当たり前となっています。
しかし、店舗ではあまりお目にかかることはありません。
ただ、設計という立場で考えると必ず必要な要素となりますので是非、知識だけはお持ちください!
この仕事をしていると、その気になれば情報はいくらでも入ってきます。
勉強すればするほど、ある意味楽しくなってくることも多々あります。
図面初心者の方は、今後多くの知識と経験を積むことでしょうが、知らないと恥をかくことがあります。
クライアントによっては知らないと言うだけで信用してもらえないときがあります。
ですから、知らないことは積極的に調べることをしてください。
乱文でしたが、ご容赦を!
お願い致します!
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