イメージサマリー
■サイズ■仕様
W1500×H1200×D900
図面参照
本体(側板):生地染色CL仕上げ
棚板:生地染色CL仕上げ+t8mmクリアガラス
■備考
業態:アパレル全般
作図日:200.04.01
■難易度:初級編/★★★☆☆
OS_000はopen-shelvesをさします

作図説明

今回の作図事例は、2007年頃に作図したレディースカジュアルショップのオープン什器図。

この時期は、レディースショップの仕事が比較的多く、その中でも今回の店舗は、白を基調にしながら、アクセントとしてレンガタイルやアンティークガラスを使った、シックで落ち着きのある売場だったと記憶している。

店舗全体としては、環境図一式に加え、造作図、什器図まで作図に携わった物件で、その中のひとつがこのオープンタイプの棚什器になる。

什器の形状は、かなりオーソドックスだ。

定寸法を守りながら、上部はガラス天板、内部には固定棚、下部にはストック収納を設けた構成になっている。商品を見せる部分と、在庫を納める部分がきちんと分かれていて、売場什器としては非常に分かりやすい。

特に良いと感じるのは、棚を固定式にしている点だ。

アパレル什器は、つい可動棚にしたくなることもあるが、可動にすると陳列の自由度が上がる反面、売場側の使い方によっては商品が雑然と見えてしまう。今回のように、什器側である程度見せ方を決めておくことで、商品量や陳列ラインが整いやすくなる。

シンプルな什器ほど、こうした基本構成が大事になる。

使用素材は、染色した木目仕上げとクロス仕上げが中心で、図面として特別に複雑な納まりがあるわけではない。ただ、個人的には側板にクロスを使っている点が少し気になるところだ。

もちろん、予算や店舗全体の仕上げバランスを考えた結果だと思うが、什器にクロスを使う場合は、意匠面だけでなく、耐久性や納まりまで含めて考えておく必要がある。

作図ポイント

この図面でまず見ておきたいのは、側板パネルの納まりだ。

側板は木工フレームを組み、その内側にクロス貼りのパネルを納める構成になっている。ここで重要になるのが、フレームとクロス貼り面との段差、いわゆる「チリ」だ。

クロス貼り面と木フレームがほぼ同面に近い納まりになっていると、使用中の接触や木部の伸縮によって、クロスの端部がめくれやすくなる。特に什器の場合、壁面と違って人や商品が触れる機会が多い。店舗什器として考えるなら、壁の仕上げ以上に傷みやすい条件に置かれると考えた方がいい。

そのため、クロス貼りの面をフレームより少し引っ込め、3mmから5mm程度のチリを確保しておくのが望ましい。

このわずかな段差があるだけで、クロス端部への直接的な接触を避けやすくなる。見た目としてもフレーム内にパネルがきれいに納まって見えるので、意匠的にも悪くない。

また、木工下地の場合は、季節や環境によって多少の伸縮が起こる。什器は空調環境の変化や照明熱、売場の使用状況にも影響されるため、仕上げ材の端部に逃げを持たせる考え方は大切だ。

次に見ておきたいのが、ガラス天板と固定棚の関係だ。

上部はクリアガラスを落とし込み、商品を見せる構成になっている。ガラスを使うことで、什器全体が重く見えすぎず、商品にも光がまわりやすい。

レディースカジュアルの売場には相性の良い見せ方だと感じる。

棚が固定式である点も、この什器の性格を決めている。

可動棚のような自由度はないが、その分、売場の見え方を安定させやすい。陳列の高さや商品量を什器側である程度コントロールできるため、ブランド側が狙った見え方を保ちやすい。

下部にはストック収納が設けられている。売場什器では、このストック部分の使いやすさも重要だ。見せる部分だけをきれいに作っても、在庫がうまく収まらなければ、結局は売場まわりが乱れてしまう。

所感・まとめ

この図面では、見せる、置く、しまう、という売場什器の基本機能が素直に整理されている。

この什器は、デザインとして強く主張するものではない。むしろ、売場の中で商品を邪魔せず、自然に支えるための什器だ。

だからこそ、素材の選び方や細かな納まりが効いてくる。

側板にクロスを使うこと自体が悪いわけではない。ただし、クロスは什器材として見た場合、決して耐久性の高い素材ではない。お客様の手が触れる場所、商品やハンガーが当たりやすい場所、通路際の什器などでは、傷や剥がれが発生しやすい。

どうしても同じような表情を出したい場合は、クロスではなく、ダイノックシートやメラミン、塗装仕上げなど、より耐久性のある素材に置き換える判断も必要になる。

特にアパレルショップでは、什器の傷みが売場全体の印象に直結する。商品は新しくても、什器の角がめくれていたり、側板が汚れていたりすると、それだけで店格が下がって見えてしまう。

今回の図面は、一見するとごく普通のオープン什器だが、よく見ると「仕上げ材を什器に使う時の注意点」がしっかり含まれている。

図面を見る時は、形状や寸法だけでなく、素材がどこに使われているか、その素材が使用環境に合っているかまで確認したい。

シンプルな什器ほど、ごまかしが効かない。

だからこそ、こうした基本的な納まりを見落とさないことが、図面屋として大事になってくる。

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