■サイズ | ■仕様 |
W1250×D500×H2200 図面参照 | 支柱:20×50スリットパイプメラ焼/シルバーメタリック 木部:木工化粧板仕上げ 幕板:間接照明取り受け |
■備考 | |
2020.08.18新規 |
作図説明
今回は、カセット型壁面什器の作図事例のご紹介です。百貨店などの催し物売場では、ほとんどがこの什器で構成されています。
以前の店舗設計では、壁面造作から什器に至るまでしっかりと造り込み、短くても3年ぐらいは継続できている店舗が多くありました。しかし、ファッションなどの流行サイクルが早まり、店舗の寿命も自ずと短くなっていました。
この結果、出店時にかけるコストが大幅に抑えられ、店舗設計も従来のやり方では通用しなくなりました。そこで、意匠性と機能性の両方を兼ね備えたカセット型什器が急激に増えてきたんです。
この什器を壁面に連結して設置することで得られる大きな利点は、スリットの埋め込みやボーダーを吊り込む工事がなくなり、大幅なコストの削減と工期の短縮が図れるところです。
基本モジュールは、900mmと1200mmワイドがあり、什器のベースとなっているのは20mm×50mmのスチールパイプフレーム組です。
上部にはビジュアルサインなどの演出が可能な幕板を取り付けて、簡易なボーダーとしています。
この幕板は基本フレームから角パイプで持ち出し、化粧板仕上げのパネルを取り付けただけのシンプルな構造です。(b部詳細図を参照下さい)
また、幕板の裏面には演出用に間接照明を取り付けています。しかし、このままの状態では幕板に荷重がかかり、前垂れしてしまう恐れもあるので、三角形の補強プレートを基本フレームと持ち出しパイプの入り隅に溶接しました。
背パネルは、化粧板仕上げのパネルを取り付けていますが、意匠性をもっと持たせるのであれば、スリット上の開口を設けたり、リブ材を使ったりして背面の変化も必要でしょう。
連結させて一つの壁面として見せることを重視しているので、この事例では側板はつけていませんが、什器本体の強度上げる意味でも側板はあった方が良いかもしれません。
側板の形状やディティールは自由にアレンジできます。
次に、ステージには基本フレームの角パイプにかぶせるようにして固定しています。(a部詳細図を参照下さい)ただ、単体でも設置が出来るように左右の側面も仕上げるようにしました。
以下は、断面詳細図です。
※カセット型什器:多彩なパーツの組み合わせでの陳列に対応でき、並べるだけで一つの売り場を構成できる什器を意味します。商品と什器を一括りにして、お客様にアプローチする考え方です。
後記
ステージに取り付けている3Pコンセントですが、出店する施設によって品番指定される場合があります。
今回の事例ではステージを85mmの高さにしていますが、指定された品番では納まり切らないかもしれません。その際は、ステージの内部にゲタをはかせて高くするような対応策を事前に用意しておいて下さい。
今回の事例は、レナウンさんが立ち上げたレディースのオリジナルブランドでの事例ですが、この頃の仕事と言えばほとんどが、レナウンさんの仕事が多く、現場管理も受注していたので、出張が多かったことを思い出します。
しかし、大変お世話になった事もありました。この物件以外にも什器だけで構成したショップを設計する機会が多くなりました。
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