標準仕様だが何処か気品を感じる棚什器
今回は作図事例の経験のことも大切ですが、図面精度も押さえどころです。図面自体はそれほどデザイン性はありませんから、真似ってもあまり意味の無いものとなります。
ただ、汎用性があるので、ご自分の判断で処理してください。アレンジの成否できっと良い什器が生まれるかもされません。
それでは、この精度を最大限に上げた作図事例を進めますが、もちろん什器の説明も付け加えます。
■サイズ | ■仕様 |
W1400×D500×H1000 図面参照 | 天板:t8 クリアガラス 飛散防止フィルム貼+4方クリアコーキング 木部:木工化粧板仕上げ スチール部:全てSUS-HL古美色カラークリア |
■備考 | |
これだけの作図描ければ100点 | 難易度:上級編/★★★★★ |
作図解説
この作図事例は、アクセサリーや雑貨の陳列に適したオープン棚什器の詳細図です。単体でも十分な機能を持っているのと、そのコンパクトサイズで、2台を上手く組み合わせて使うことも可能です。
天板のフレームと側板にはステンレス(以下SUS)の古美色仕上げで、アンティーク感を演出しています。逆に洗練さとカジュアル感を演出する場合には、ヘアライン仕上げにしても良いでしょう。
照明器具も天板と2段目の固定棚の底面に2灯づつ取り付けているので、明るさも十分あります。
作図上のポイント
この什器で工夫した点は、照明器具用の3Pコンセント変わるMKコンセントを、什器底部に収納したところです。従来の取付け方法では、巾木部分に掘り込みを設けてコンセントを取り付けます。
しかし、それでは什器の外観を損なう事になります。そこで考えたこと!
それは、四方に段々となった脚部の内側に小さなボックスを設けたのです。そうすれば、外からは目立たないようにしました。
この結果、ボックスから配線開口(左右)だけが空いている状態となります。これでスッキリした見え方となりました。
ただ、ボックスに収納した事でメンテナンスが厄介!解消のため腰部の引き出し下にある底板にメンテ用の蓋(グリーンで表現)を2箇所取り付けて対応しています。(以下立面図一部と断面図を参照下さい)
さて、図面全体もそうなのですが、この断面図も通常以上に手を加えパーフェクトな図面となってます。発注者の細かな指示が影響したのでしょうか、普通はここまで描けばコストもアップしますね。
作図の何処を見ても完璧ですし、寸法抜けも指示抜けも無く、文句の付け所はありません。
作図ポイント
ポイントそして、以下2箇所、板の照明カバー部と固定棚見付けのサインプレート部です。これが理解できれば概ね良いかと!
照明カバーは、SUSをコの字型に曲げ加工したもので、これはガラスの受け金物も兼用しています。仕上げは天板基本フレームと同仕様のSUS古美色仕上げとなっています。
次にサインプレート部は、固定棚の見付けを5mm程彫り込み、そこにスチールプレートを貼った上にマグネットシートでサインを貼ります。マグネットシートを使用することにより任意の場所にサインを貼ることが出来ます。これは良いアイデアですね!
作図上の注意点
マグネットシートを使ってサインプレートを貼る手法は良く使います。今回ご紹介した什器はステンレス材を多く使っているので、マグネットシートの部分にも同じ素材のステンレスで良いと思われるかもしれません。
しかし、ステンレスには錆びにくくするために製造段階で、ニッケルを加えていて、このニッケルが磁石と相性が悪いんです。そのため、マグネットシートを使う場合には必ずスチールプレートにする事を覚えておいて下さい。
まとめ
昨今、我が業界ではまともに図面を描ける人が少なくなったと思います。打ち合わせをしていてもそのような話が出ます。きっと時代交代に起こる悪しき現象と考えます。
会社内にしっかりした指導者が居ないのも原因かもしれませんが、今後に不安が残ります。私も多くでは無いですが、ネットで図面の描き方を指導してます。
私の願いは、一人でも多くの人が素晴らしい図面屋になって貰いたく起こした行動です。以上
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