■サイズ | ■仕様 |
W1852×D506×H3500 図面参照 | 支柱:75×40スチールコの字曲げ加工黒皮調仕上げ スクリーン:t=8クリアガラス+飛散防止フィルム貼り 筋交い:25×25スチールLアングル黒皮調仕上げ 棚受け:スチールFB曲げ加工黒皮仕上げ スクリーンガラス受け:φ25スチール丸パイプ黒皮調仕上げ |
■備考 | |
2019.11.27更新 |
作図事例
この図面事例は、ちょっと風変わりなショーケースです。四方4本のコの字のスチールアングルをベースに、ガラス棚を組み合わせて、ファサードでの演出ショーケースとして配置されています。
珍しいと言うより、ちょっとやっかいな代物でもあったので、実施図にはかなりの時間を要した記憶があります。説明が、どこまで旨く出来るか心配ですが、単純な収めでないだけに、ちょっと長くなるかもしれません。
それでは、進めますので続きをご覧ください!
まず、左右二面のスチール組した帆立(方立)に、持ち出しパイプを溶接します。そこにガラススクリーンを四方を囲むように取り付け、ショーケースとします。
ガラスショーケースを支えるスチール組の帆立(方立)についてですが、ガラスを固定する支柱となるので、まずは天井と床への固定が最重要となります。
かなりの重量なので、要所要所をしっかりと固定しないと成り立たない造作です。 床固定は、床材を貼る前に、アンカーボルトでしっかりと固定するようにしました。
次に、天井面への固定は、下の詳細図をご覧頂くご理解できると思われますが、この事例では、天井のプラスターボードを貫通し、天井下地材に溶接固定する方法をとっています。
この固定方法も間違いではありませんが、強度的に不安が残りますね。 10ミリ厚のガラスを四面も支えるのですから、天井スラブにアンカーで固定する方が望ましいです。
さらに、このままだと天上面に隙間が空きますので、L型のプレートをボルト+ナットで固定しました。これについては、化粧柱がコの字アングルなので蓋をする為です。
ここまでは、おおよそ理解できたかと思いますので、次に進みます。以下の作図は、化粧柱とガラススクリーンの詳細図です。
以下詳細図ごとに説明していくことにしましょう。
a部詳細図
持ち出しパイプとガラススクリーンとの収めを描いています。 ガラスを持ち出しパイプとローレットビスで挟みこんでの固定です。この手法は持ち出しサインプレートなどの収めにも応用出来ますので覚えておいて下さい。
b,c部詳細図
このショーケースには、ガラス扉が付いています。(平面図参照)要は商品の出し入れの扉です。ガラスヒンジを使用しているのが見て取れます。扉部分の断面図事例です。
ここで最も重要になる所が上ヒンジの部分です。 回転での荷重が一番掛かる箇所でもあるのでヒンジが勝手に外れてしまわないような受け金物の「深さ」に注意して下さい。
また、ヒンジは既製品を使用するので、クリアランスや各部の最低寸法等もメーカーのカタログ等で必ず確認して下さい。
e,d部詳細図
こちらは、ガラススクリーン内部の固定棚部を描いています。 ガラスがずれないように、ナミダメ(透明の樹脂パッキン材)を取り付けています。
ただ、万が一の事も考慮して、L金物フレームにガラスを落とし込む収めの方が良かったかもしれません。(反省)この場合、意匠的な問題も関わってきますので、事前に関係者と協議が必要です。
後記
かなり複雑なショーケースなので、参考にはならないと思いますが、「こういう考え方も有るのです。」程度で知っておいてください。 この事例を組み立て、そして施工図へと導くのが私の仕事です。
思うことは、みなさんにこのような多くの知識を積んでもらって、良い図面屋さんになってもらうことが私の夢でもあります。デザイナーさんだけでは店舗は造ることは出来ません。私も含め、その他多くの業者さんが居てこそ店舗は完成します。
ただ、実施図が良くないとトラブルが起こります。昨今の図面を見ていると、厳しいものがあります。多くの良き図面屋さんが増えることを望みます。
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