■サイズ | ■仕様 |
W2100×D650×H920 図面参照 | 天板レフーム:30×30 スチール/パイプ焼付仕上げ(ブラック) 天板:t=6 裏面クリーム塗装ガラス 天板下地:t=18 MDF ウレタン塗装仕上げ(クリーム) |
■備考 | |
作図解説
一見、シンプルなフォルムをしたガラステーブルが、今回の作図事例です。
フォルムはシンプルで見た目は良い!しかし、納めについては、ちょっと厄介です。こういう難解な作図は良く私のところに依頼があります。
まずは、什器全体の仕様からご説明してきます。 下の立面図と厄介な断面詳細図をご覧頂きます。
天板と中棚のフレーム、そして脚は全てスチール焼付仕上げとなっています。
30mm×30mmのスチール角パイプをフレームとした天板には、強度と耐久性に長けたMDFを下地にし、その上に裏面を塗装処理した6mm厚のガラスをのせています。
このガラスとガラス下地(MDF)の天板を受けるために、3mm×25mmのスチールフラットバー(以下FB)を天板フレームに溶接処理しました。
次に、中棚はテーブルフレームと同サイズの角パイプに25mm×25mmのLアングルをビス止めで固定しました。 ビス固定を指定されたわけではないので、このLアングルの固定方法は溶接処理でも問題ないでしょう。
そして、最も厄介な納めがとテーブル脚です。
天板フレームに溶接した角パイプの途中に、直径50mmの鉄球を仕込んでいます。 しかも、鉄球と脚との間には15mmの丸支柱が挟まれています。
これらを全て溶接処理することも可能なのですが、鉄球と支柱との接点がどうしても綺麗に処理できない恐れがありました。
そのため、ボルトを鉄球と支柱に貫通させて挟み込み、下部の脚でインロー式固定させる方法にしました。上のa部詳細図を参照ください。
ポイントとしては、支柱を鉄球に5mm程埋め込ませ、フラットな面で上下からボルトで締め付ける点です。 この手法で、鉄球と支柱との接点も綺麗に処理できることと、面で挟み込むことで安定性が向上します。
ボルトは下部脚の蓋となっていて、この蓋にはインロー用の角パイプを溶接処理しています。尚、以下2枚の画像は上記の断面詳細図の平面詳細図にあたります。
最後に、パイプ脚に取り付けたアジャスターについてです。
ご存知の方もいるかもしれませんが、金物製の脚にアジャスターを取り付ける場合に、最も多く使われる固定方法なので、覚えておいてもよいでしょう。
作図の注意点 今回の作図事例で、最も悩まされた鉄球の固定で仕様したボルトですが、最後にナットで締め付けるようになっています。
ただ、インロー用パイプもこの蓋に溶接されているので、ナットを締め付ける工具がインローパイプ内に入るかどうかの検証が必須です。 このボルトサイズだけは注意しながら決定するようにしてください。
後記
今回の事例は、もともと基本図(dxfのcadデータ)としてあり、収め方も描いていましたが、ほとんど参考にならないような状態です。
結局、形状とサイズだけを参照して一から作図しました。
納めは、難しいと熟々感じた作図でしたが、普段から納めのややこしい什器などの資料を集めて、自分でシュミレーションしておきます。こんなことの積み重ねで今回も描けたような気がします。
↓ ↓ ↓