ZIPPO 梅田ロフト店_2007.8
■サイズ■仕様
W950×D520×H2100
図面参照
什器本体:メラミン化粧板仕上げ(アイカAY-281BG)
引き違い扉:t=5mmクリアガラス
■備考
2020.02.10更新

背景

思えば13年前の物件です。当時、急成長していた神戸の施工会社の物件です。この会社にはいろいろお世話になったことを思い出します。

現在はこの会社はありません。東京進出は良かったのですが、ちょっと無理があったような気がします。施工会社なんてもろいもんです。

かつて私も施工も業務のひとつとしていましたが、資金繰りが難しく30年目に止めてしまったぐらいですから。

作図説明

今回の作図事例は、小物雑貨店に適した什器であって、実際にアクセサリーや腕時計などの店舗には、事例と似通った什器が多く見られます。

店頭の柱前などに単体で設置することも有りますが、そのほとんどは、3〜4台を並列に並べるレイアウトが順当な使い方で、雑貨専門店など見受けられます。(ボリューム陳列)実物件でも4連結してレイアウトしていました。

では、まず上部のショーケースから解説していきます。


陳列する商品が小さいサイズなので、上部のショーケースの奥行は220mmに設定しました。内部の可動ガラス棚の奥行も100mm以上確保しているので、あらゆる雑貨商品でも陳列ができます。

次に、ケース扉の開閉方法は、観音開きと引き違いの2タイプのどちらにも対応できますが、店舗事情を考え、ここは引き違い戸にしました。

その理由は、観音開きの扉を取り付けた場合、商品を見ているお客様の邪魔になることと、安全面を思い、引き違い戸を選択したわけです。

それでは、 c、c’部詳細図の拡大表記していますので参照ください。

ショーケース上部断面詳細図

ケース内上部にダウンライト2灯配置しています。ただ、上からの光では最下段あたりの照度がどうしても低くなってしまうので、商品を均等に明るく照らすために引き違い戸のすぐ後ろ側に蛍光灯型の照明器具を取り付けました。

a部詳細図で、蛍光灯型器具を極力隠すために側板の1部を掘り込み、正面からは照明カバーが少し見える程度にしている所を表現しています。

ここからは下部に奥行を広く取ったショーケースを解説していきます。

上部のケースから、300mm手前側にせり出した形になっています。ここには、2つの目的があります。

1つ目は、ショーケース内の商品が見やすくするためです。高さも1000mmとっていますので適度な視線で商品を見比べることが出来ます。もうひとつは、お客様のリクエストでスタッフが取り出した商品をじっくり見てもらうためです。

百貨店や専門店の壁面ショーケースのほとんどが、このようなスタイルで販売に繋げています。フォルムは違えど、その機能はよく似ていますので、一度見に行かれてはどうでしょうか?

それでは、このショーケースの各部の詳細図を説明していきます。下部作図をご覧ください。

上記は、ちょっと厄介なスライドレールを使った引き出すトレー(芯出し)の前板部分です。作図でわかるように、この部分は前板ガラスと鍵、そしてスライドレールの取り合いが表しています。

特にトレーの見付サイズには気をつけてください。前板ガラスを落とし込むために必要な溝と鍵の軸が干渉しないように余裕をもった見付のサイズ設定が不可欠です。

作図事例では、トレーの前見付を70mmにしたので、鍵も取り付けやすくなっています。また、横引きスライドレールを取り付けるためのスペースも確保できました。ちなみに、このトレーを芯出しと呼ぶこともあるので、覚えていてください。

最後に、什器の両側板に3Pコンセントを取り付けています。ただ、連結して設置する場合、3Pコンセントは側板より奥まった所に取り付けるように注意して下さい。

側板と同じ仕上げ面にしてしまうと、コンセントが邪魔をしてきれいに連結できない事があるからです。

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