■サイズ | ■仕様 |
W1500×D750×H1500 図面参照 | 木部:t=24mm構造用合板下地染色CL仕上げ 基本フレーム:18mm×28mmスチール角パイプ |
■備考 | |
2020.04.14更新 |
背景
2009年の1月あたりから手掛けていた改装物件です。今回は環境設計には携れなかったので、インショップの設計を担当することとなり、参考データを元に実施設計を任されました。
実際、よくあることですが作図を始めるにあたってクライアントから参考データを頂きます。作図のスピードアップと私に支払うコストを抑えるためです。
しかし、まともなデータだったらスムースに作図は進みますが、経験上ですが、まともに作業が進んだ試しはありませんね。(笑)
作図説明
今回の作図事例は、店頭などに設置する多機能なオープン什器です。見た目は非常にシンプルで、トップの天板にシングルハンガーを取り付けただけのものです。
子供服ショップを設計した時の什器ですが、高さをアレンジすればレディースショップにも応用できます。しかし、この事例で着目していただきたいのは仕上げ材にあります。
スチールのパイプフレームをベースにして、取り付けている天板と側板、そしてキャスター付きストッカーまでを構造用合板の染色仕上げにしています。というのも、フォルムがシンプルなだけに、どこかに個性が欲しかったのです。
以下をイメージ写真を見ていただいても、何の変哲も無い素材です。
本来、構造用合板とは建築上もっとも強度と耐久性が必要な箇所(例えば、一般的な木造住宅の壁や床)の下地材などに用いる合板を言います。
サイズもそうですが、使用する木材の種類も豊富にあり、様々な用途に対応できる素材でもあります。
近年では、構造用合板を仕上げ材として利用した店舗や、住宅も増えてきています。大柄な木目で節もあり、見た目的に荒い印象ですが、この荒さを逆手にとって家具や壁面に使用するケースも少なくはありません。
以下の写真は、壁面に使用した事例ですが、何ともシンプルで個人的にはスキなマテリアルのひとつです。
今回の作図事例では、24mm厚の構造合板を天板に用い、その他を18mm厚と12mm厚で構成しました。ただ、このままだと芸が無いので、見付けや小口については、化粧板の小口テープを使用して粗雑さを抑えました。(以下の断面詳細図参照)
それぞれのフレームへの取り付け方法は、主要な詳細図をご覧くだざい。まずは側板とフレームの取り付け方です。トップの作図事例を見てその場所を確認してみてください。
15×15のLアングルを基本フレームの60mm×30mmのスチールパイプに溶接して、ビス止めしただけのシンプルな収めです。(a部詳細図)また、天板下にあるツナギパイプへの取り付け方も同様に、この部分はLアングルをフレットバーに替えてビス固定しています。(b部詳細図)
天板上部のシングルハンガーは120mm×120mmのベース2枚と4本のボルトとで挟み込んでナット固定で取り付けました。(c部詳細図)
後記
今回使用した構造合板はホームセンターでも手に入る比較的安価な材料と言えますが、豊富な種類があるだけに使用する面積や場所には注意してください。
特に壁面での使用についてはプラスターボードより高いので、逆にコストアップにつながることもあります。
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