のぞき窓
ブランエスパ銀座_2013.03
■サイズ■仕様
W200×H200×D162 見切り枠:t=5mmスチールクロームメッキ仕上げ
■備考
 

背景

仲間内からの依頼で受けた仕事が、「結婚式場」。初めての経験でちょっと考えましたが、要は実施施工図だったので最小限を条件で参画しました。厄介だったこと言えば、ビルの上層階3フロア(レストラン含む?)

後味の悪い仕事だったのでよくおぼえています。着工の寸前まで設計打ち合わせを行い、また意匠変更の多かった物件で同じ図面を何度も書き換えて苦労した事を覚えています。

作図説明

ちょっと特殊な作図なので、この絵面だけでは何かも分かりません。実は、ブライダルのチャペルなどに設置されているオペレーションルームの覗き窓なんです。式の進行などをこの小窓から見ていて、ミュージックや光演出などを操作するんです。

過去に、多くの結婚式には出ていましたが、こんな機能的の代物で演出をオペレーションしていたとはビックリでした。

現場ではもうすでに窓枠が付いてました。その後の作図となります。具体的にいいますと、スチール製の窓にマジックミラーの小窓を取り付けるといった図面です。本来ならば窓枠の中心にマジックミラーを付けるのですが、若干ずれてしまっています。これは、顧客側の石材の取り合いからこうなったと判断できます。

ぞき窓2
平面詳細図

取り付け方はいたって簡単でマジックミラーのサイズに合わせて開口したパネルを窓枠にビス止めして、押さえ縁でマジックミラーを固定する方法です。しかし、そもそも私はマジックミラーといえば「刑事ドラマの取調室」ぐらいの知識しかなったので実際にどういう構造なのかがよく理解でsきました。

ぞき窓3
断面詳細図

石の見切り材について

この作図事例で使っている石には凹凸があり、厚みがそれぞれ違います。こんな石貼り壁に見切り材を取り付ける場合、見切り材のデプスには注意してください。

見切り材と接する石の厚みは、実際に施工してみないと正確にはわかりませんなので、見切り材のデプスには石の貼りしろも含めた寸法より3~5mm以上大きなサイズに設定することが妥当です

ミラーの押さえ縁について

ミラーやガラスの収めを描く場合、注意しておいてほしい点があります。それは押さえ縁の見込み寸法です。この断面図のままでビス止めすると、必ずといっていいほど木パネル側の方が割れてしまいます。 

これは、9mmの見込みしかない所にビスを打つ事に原因があるので、押さえ縁の見込みをあと5mm程度大きくすべきでしょう。パネルがスチールなどの金物仕様だった場合は、割れる事もありませんが、木工だけにこういった箇所には見込みを大きく取るように心掛けてください。

最後に、作図をよくよく見て感じたことは、上記の9mmのことですが、t=5mmのマジックミラーをより前方の位置にすれば問題ないでしょう。何年も経って気づくとはちょっと情けなさを感じました。