収納家具を壁面に同化させた作図事例
■サイズ■仕様
W4060×D490×H2450
図面参照
ストック建具:木工染色白ダメージ風仕上げ
取手:スチールFB曲げ加工焼き付け仕上げ
■備考
2019.11.27更新

作図解説

見てお分かりのように、全壁面をデザインし、その中に一部収納スペースを設けたかなり大きな造作什器です。

使用内容は、主にお客様管理の書類を収めるためのものです。当初は、この壁面にシンプルな家具を配置する予定でしたが、「何か案が有るか?」とクライアントに聞かれ、時間を頂いて考えたプランです。

プランは半日もかからないものでした。昔、ニューヨークでこれと似た家具があったのを思いだし、この大きな壁面に合うかどうかをシュミレーションして出来たデザインでした。(結構楽しみました)

ただ、建具自体も結構な重さだったので、メンテが必要かとも考えましたが、あくまでもデザイン優先で進めました。

収納家具としては、充分にその役目を果たします。そして、ダミーっぽいところも喜ばれました。ただ、使い勝手が良いかは、その後聞いていません。

収納機能がそうなっているかは、以下の平面詳細図と断面詳細図をご覧ください。

平面詳細図と断面詳細図

新規壁面を建ててからの計画だったので、基本はLGS+PBをベースに方立を構成して、完成としました。

注意点としては、上記左の平面詳細図を見てください。スライド蝶番の位置が気になります。これは、前述した壁面に問題があったと感じます。

普通の家具だとこういう納めには成りませんが、何せLGS壁での納めなのでどうしてもこうなってし待った結果です。

その他は、方立を取り付けたので、通常のスライド蝶番での納めとなります。ちょっと失敗した箇所でもあります。

普通に家具を作り、それを配置すればこのような、しかもややこしい納めには成っていなかったでしょう。しかし、コストは通常の家具づくりより3割減でした。

このように、現場状態をしっかり理解しないとこういう失敗をしますので、心して設計することが肝心です。

その他の納めは、通常の家具と同じなので、それほど難しいところは全くありませんでした。

しかし、設計終了間際に、「どうして開閉する?」ってね! このダミーっぽい扉の開閉ですから、あまり目立つハンドルというか手掛かりは許されません。

また試行錯誤が始まりました。

ほとんどのカタログで調べてみたものの、既製品では対応でき無いと判断して、別注でSUSの曲げ加工で手掛かりをつくりました。(上記参照)

これで、完成でした。作図時間は≒10時間かかりましたが、やり甲斐はありました。

最後に、この家具ひょっとしたら住宅などでも使い物になるかもしれません。棚板も良いですが、この家具にハンガーも取り付け可能ですから。みなさんも一案出して頂ければ嬉しいです。

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