アイキャッチーとして役割!!

ファストフード店舗において、天井から吊るタイプの「ボーダー装置」は、照明演出とブランドイメージの印象づけを同時に叶える重要な存在です。

カウンターまわりのアイキャッチーとして設置されることが多く、視線の誘導や空間のゾーニングにも効果的。だからこそ、見た目の仕上がりだけでなく、構造の安定性や施工性にまで気を配った設計が求められます。

作図はシンプルに、平面図と断面詳細図を描きましたが、内容は充分伝わると思われます。

■サイズ■仕様
W図面参照×D235×H600
その他は図面参照もこと!
吊りパイプ:スチールパイプφ=25.4mmxxメラミン焼付塗装
本体:スチールt1.6mmメラミン焼付塗装
裏面:t1.6mmボンデ鋼板 パテ処理後.グラフィックシート貼
■備考 ■難易度:初級編★★★☆☆

作図解説

この図面は、ファストフード店舗で用いられる吊りボーダーの構造を非常に高い精度で描き出しています。
まず、目を引くのは、無駄のない部材構成と明快な納まり。

とにかく線一本一本に意味があり、設計者の意図がしっかり伝わってきます。

最大の特徴は、什器全体がR型(曲線形状)で構成されているという点です。直線と異なり、R形状では寸法の拾い方や部材の追従性、照明の納まりなど、設計と作図の難易度が一気に上がります。

この図面は、そのR型形状を違和感なく、しかも美しく仕上げるために、細部まで丁寧に描かれています。

吊元には25.4mmのスチールパイプを使い、メラミン焼付塗装で仕上げることで、構造的な強度と意匠性のバランスを確保。

照明には、A型バルックボウルやLEDが組み込まれ、什器内部に巧みに配線スペースを設けながら、美し納まるよう設計されています。

表面材は、t=1.6mmのポンデ鋼板+バチ処理+グラフィックシート貼りという構成。

ここに見られるのは、「見せる面」と「裏方の構造」を明快に分ける設計思想です。

外観は軽やかでシンプルに見せながら、裏ではしっかりと強度とメンテナンス性を確保する。この設計姿勢こそが、この図面の魅力です。

作図ポイント

この図面は、図面精度が高いだけでなく、「現場との連携」がとてもよく考えられています。

たとえば、吊元の金物は現場での施工性を意識したビス固定。照明器具の交換やメンテナンスを想定した開口部や内部処理も抜かりなく設計されています。(上記、縦断面詳細図参照)

こうした“描いて終わり”ではない設計は、図面初心者こそ見て学ぶべきポイントです。現場でスムーズに施工できるかどうか、それは図面にどれだけの気配りがあるかにかかっています。

この図面は、そうした「施工者との対話」が図面上でできている稀有な例であり、現場の完成度と信頼度を高める設計と言えるでしょう。

また、寸法や板厚、仕上げ指定も明確で、どこからでも正確に読み取れる構成になっているため、模写・トレースに最適。

図面初心者の方には、ぜひこのような“考え抜かれた断面詳細図”をお手本にしていただきたいです。

まとめ

いや〜、これは良い図面ですね。

「吊って、光らせて、魅せる」。それをちゃんと設計でやってのけるには、こうした緻密な断面図が欠かせません。

初心者の方にはもちろん、ベテランにとっても「そうそう、こう描くよね」と納得できる一枚。こういう図面を見ると、あらためて「図面って設計者の伝達手段なんだな」って感じます。

図面に悩んでいる方、ぜひこの断面を真似るところから始めてみてください。ヒント、いっぱい詰まってますよ。

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