■サイズ | ■仕様 |
W1900×D600×H1070 図面参照 | 家具本体:木工下地化粧板仕上げ ケースTOP・前板:t6クリアガラス+飛散防止フィルム貼り スライド式トレー:木工化粧板仕上げ (アイカ TJ-2553K) |
■備考 | |
2020.03.06更新 |
背景
私には、たまにですが全く系統の変わった仕事が舞い込んできます。大学の食堂や博物館のショーケースなどです。
今回も関東の公共宿泊施設内にあった展示スペースを改装するので、作図の依頼がありました。主に展示用ステージやショーケースといった什器図を数点の実施図面を手掛けました。
作図説明
それでは、作図説明に入りますが、作図を見ていただければお分かりのように壁面に設置するショーケース詳細図です。
ただ、ちょっと変化を加えているところがあります。それはショーケース部分はそれほど変わったモノではありませんが、お客様の寄り付きを考え、腰部に細工をしました。
もう一度、トップの作図側面図をご覧ください。要は、ショーケース内をしっかり見ていただくために腰部分を斜めにカットしてたフォルムにしたのです。
以下の作図でその比較が分かるでしょう。
側面図を見ていただくとわかるように、ケース奥行きの600mmに対して足元は300mmと半分のサイズになっています。この足元の奥行きサイズを小さくすることで、什器に寄り付きやすくなるのですね。
明らかに、左側の作図の方がベターですね。壁から人物の足先までの距離を比較しても75mmも違うのですから。このショーケースと足元の奥行きに段差を設けることで、人は無意識的に近づくことができると感じます。
ただ、今回の場合はショーケースの高さにも関係しています。普通のショーケースのガラストップは、850mmから高くても900mm程度です。
今回は、H=1070mmになるとかなり高いと感じます。また、展示するものも書簡や文章などを展示する内容でしたので、自ずと高くなった訳なんです。
ですから、普段描いている百貨店のアクセサリーショップなどのショーケースとは、若干の違いを感じることでしょう。
しかし、足元の奥行きを小さくすることや、腰を脚などで構成された什器では、お客様の寄り付きは、良いと考えます。チャンスがあれば、一度検証してみてください。
ただ、安定が良くないので壁面固定となることをご了承くださいね!
それでは、ここからは各部詳細図を見ながらご説明していきます。まず、ショーケースの左右にある側板には、什器の連結(現場組み立て)した時に、見てくれを良くしたいので、底目地となるようにしました。7.5mm×7.5m分を角落としにしています。
続いて行きますが、1800mmもあるショーケース天板を支えるガラス方立てと背板との収めを表した平面詳細図です。スライドするケースの底板とガラス方立てとの間には、2mmの隙間を設け、スムーズに底板を引くことができるよにしています。
次は断面図です。
足元の部分に設けたストック扉にはスライド蝶番を使わずにピアノ蝶番を採用しました。これについては、できるだけ扉の枚数を少なくしたかったので、工夫しました。
通常の開き扉の場合、1800mmのワイドに対して4枚が妥当な枚数なのですが、これでは扉間の隙間が見えてしまいます。一方、事例のようにピアノ蝶番を巾木上に取り付けて上下に開くようにすれば、扉は2枚で済みます。
尚、ピアノ蝶番を使ったストック扉の開き方には必ずマグネットキャッチかプッシュラッチが必要ですので注意して下さい。
それでは、最後に重要なショーケース部の拡大図を載せておきます。
ここでは、照明カバーの収めがこの事例でのポイントとなります。スチールプレートを曲げ加工したカバーと配線用の30mm×20mmの角パイプは溶接処理をしています。
そして、什器の背板には角パイプに溶接したプレートを背板の化粧板を貼る前にビス固定するようにしました。これで収めは問題ないでしょう。久しぶりの力作です。
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