■サイズ■仕様
W860×D95×H1960
図面参照
建具枠:木ラッカー塗装仕上げ(白)
建具:木下地t=5mm クリアミラー貼
ストック面:木下地化粧板仕上げ
■備考
2020.09.30

作図説明

アートの世界ではまるでそこにあるかのように擬似扉や窓をつくり、見る人を驚かしていることがあります。

店舗設計でもこの擬似扉を使うことはしばしばありますが、このイメージとは若干違いがありますが、同じ発想で建具と壁と一体化させて隠す手法も少なくはありません。

これは店舗や商業施設の環境デザインにおいて、建具を目立たせたくない場合に良く使う手法です。

特に、ミラー貼りの壁面には、多く使われているようなので、今回は、このミラー貼り建具の中でも、ちょっと変わった見え方をした作図事例をご紹介しましょう。

まず、トップ画像の立面図をよく見てください。 全面ミラー貼りの壁面ですが、その中にストックルーム出入用の建具が見て取れます。しかし、そこにはモールディングの化粧枠のようなしぐさが見えますが、これは、いったい・・・・。

それでは、詳しくご説明していきましょう。

一般的な考え方であれば、シンプルに枠を隠すフレームレス仕様のミラー建具を取り付けますよね。しかし、この事例ではそこにひと工夫を付け加えているのです。

これは、ちょっといいアイデアかもしれません!

この化粧枠と思える正体は、ミラー面にカッティングシートを貼って擬似枠をつくってるのです。一種のだまし絵のような効果を狙ったものですね。下部の作図は、断面詳細図ですが、モールディングの姿形が無いのが確認できます。

ユーモアのセンスも感じて、何か親しみを感じます。

納め方は内開きの建具がベースとなっていて、売り場側の壁と建具の仕上げを共にミラー貼りにしています。また、スチールのフラットバーを曲げ加工して、ミラーの小口をカバーするミラーエッジ材にしています。(a部詳細図を参照ください)

開閉時の衝撃を和らげるクッション材はもちろん取り付けてあります。ただ、レバーハンドルを取り付けた戸先と枠の形状に注目してください。(マーキング場所)戸先が当たる部分の枠に傾斜をつけているのがわかります。

これは、開閉頻度が多くなってくることをあらかじめ予想し、蝶番のビスが仮に緩んできても、建具が枠に当たらないようにした工夫なんです。

ミラー貼りの場合は、少しの衝撃でもヒビが入ったり、割れてしまうことが最も懸念されるので、少しでも安全に開閉できるようにしなければなりません。

この事例での注意点は建具、枠共に上部が円弧になっているので、ドアチェックの取り付け時にはアームの下地材が必要になることです。

縦断面詳細図で確認できますが、ドアチェックのアームの位置関係の調整が特に重要です。もう現場に任せるしかありませんが、建具枠のアール面が広い分それほど厳しくは無いと感じます。ですから、作図はこのまま、現場域となりました。

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