ブランエスパ銀座_2013.03.12
ブライダル関連_2013.03

作図解説

重量のある鉄扉や、今回の事例のような石貼り仕様の建具では、一般的な普通蝶番では、耐久性に欠けることがありますが、このような場合に蝶番の選択肢のひとつとしてあげられるピボットヒンジ(以下Pヒンジ)があります。

今回は、このPヒンジを使った人工大理石貼りの建具をご紹介します。施設内のパイプスペースを隠すために、点検扉の前に造作で壁を立て設置した建具です。
以下の平面詳細です。

この作図には、Pヒンジの取り付け位置や建具と枠との間に設定したクリアランスも明記していますので、参考にして下さい。

平面詳細図

環境意匠上、極力建具の存在をわからなくするために、開口枠を見せないフレームレスでの建具となっています。

表面仕上げには、壁面と同じくコーリアン(アクリ系人工大理石)貼りで、裏面は不燃化粧板仕上げです。(コーリアン:https://www.corian.jp/)

蝶番自身も見せない隠し蝶番を使う事も考えられますが、耐久性が気になるので、Pヒンジを採用しました。以下作図で確認できます。

断面詳細図

作図の注意点としては、重量のある建具を設計する場合、ヒンジの種類も重要ですが、クッション材の取付と開閉時のストッパー機能にも注意しておいて下さい。

普通蝶番やPヒンジなどは、本体にストッパー機能がありません。そのため、ドアクローザーを使って緩やかに締まるようにします。

今回の場合は、パイプスペースの建具と干渉する恐れもあったので、ドアクローザーの取り付けてはおこなっていませんが、仮にPヒンジを使う場合はドアクローザーとセットにして計画することをおすすめします。

最後になりますが、もう一度、立面図をご覧ください。
建具上部に赤い部分があります。この場所は建具を取り付けた後に、仕上げのコーリアンを貼るように指示しています。

というのも、この場所のコーリアンを先に貼ってから建具を取り付けた場合、衝撃などでコーリアンがはがれてしまう可能性もあるので、一部分だけを後貼りと言う指示をしました。

今回使用したPヒンジと類似したものを参考までに添付しておきますのでご覧下さい。

Pヒンジ:スガツネ PAW型
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