■サイズ | ■仕様 |
W940×D323×H2125 図面参照 | 枠:木工染色CL仕上げ 建具:木工染色CL仕上げ(遮音仕様)※内部にグラスウール充填 Gスクリーン:ペアガラスFIX(t=6フロートガラス+t=12クリアガラス+t=6フロートガラス) |
■備考 | |
作図解説
久しぶりに興味深い建具の資料が出てきましたので、投稿しました。作図事例は、建具の中でも特殊で遮音効果のある建具図です。
主な設置場所は、音楽スタジオや会議室などで、また身近な所では、カラオケ店などの建具に見受けられます。
作図の難度は、一般的な建具図とそれほど変わりはない内容なので、陸奥かs九はありません。
ただ、遮音ドアなので、部分的に専用のパーツや加工を施しているので、その辺りをしっかり理解すれば問題は無いでしょう。
では、三面図で外観をご覧下さい。
まず先に注意して頂きたいのが、平面図で表記している壁の厚みは、既存壁と新設壁の二つがあるのでとても厚くなっています。
しかし、在来工法での遮音壁は、約半分ぐらいの厚みと考えておいて下さい。そして、建具には、内部にグラスウールという遮音効果のある材料を詰め込むこともあり、60mmの厚みになります。
グラスウールについての詳しい説明はこちらを参照下さい。
◆防音専門ピアリビング
次に、レバーハンドル側には小窓を取り付けて内外の様子が分かるようにしています。ガラスも入って厚みのある建具なので、ヒンジには重量用のPヒンジを使うことにしました。
上部には、開閉速度や安全性を考慮してドアクローザーを必ず取り付けるのですが、今回は建具内部に収納できて目立たないコンシールドを使用しています。
遮音対策した建具の重要なポイントは密閉度!
続いて、以下のa部詳細図を、ご覧下さい。
遮音建具を設計する場合、重要なポイントは密閉度です。音は空気の振動によって伝わるので、この空気の通り道をいかにして遮断するかが重要となります。
そこで、開口枠の戸当たりには、従来のものよりも密閉度が、高いゼロタイト(クッション材)を左右に取り付けています。
建具内部には、グラスウールを充填し、小窓にもガラスを三重構造にして遮音性能を上げています。まずは、上記の内容を是非、理解しておいてください。
次に、以下のb、c部詳細図を読み取ってください。
上部の建具枠には、前述の a部詳細図と同様に特殊なクッション材を取り付けています。コンシールドの納まりも、この縦断面詳細図で確認できます。
足下にはオートマチックタイトと呼ばれるクッション材を取り付けます。参考までに遮音ドアに取り付けている特殊なクッション材などを扱う代表的なメーカーのサイトを下記に添付しておきますので参照下さい。
◆東京萬株式会社
まとめ
さて今回の作図事例は、如何だったでしょう。
作図的にも、このサイトで、普段ご紹介している建具図と何ら変わりはありません。建具と建具枠との間に設定するクリアランス(隙間)も同様です。
ただ、従来の建具に比べて密閉度を上げるパーツを多用している性で、建具が分厚くなった程度でしょう。
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