意匠性を持たせた吊り戸にしたアイデア

ミラー付き引き戸を旨く使った作図事例
物件名:帽子屋 南堀江店_2001.03
■サイズ■仕様

W900×D40×H2095
図面参照
枠:t=3.2mmスチール平板焼き付け仕上げ(白)
建具:木工化粧板仕上げ
■備考
2019.11.27更新

作図解説

基本的に引き戸は戸車とレールを隠す納めが一般的となっています。しかし、今回は、引き戸に意匠性を持たせた吊り戸にしたアイデアについてお話しします。

意匠は、このショップのデザインコンセプトに由来します。荒々しいレトロ調のイメージにあわせた吊り戸としました。

今ではあまり見かけない、レンガとマジックコート(吹き付け+左官仕上げ)仕上げの壁面と組み合わせるとよりレトロな雰囲気を演出してくれます。

この吊り戸を作図するにあたって、最も重要なことは、建具の重量が掛かる上下レール部分の納めです。

作図ポイントに入る前に、イメージを見ておいてください。

意匠こそ違いがありますが、考え方は同じです。

作図ポイント

まず、吊り戸の断面詳細図をご覧下さい。作図では、a,b 部分詳細図となっています。

図面上では、天井から補強用として吊られた50mm×50mm角パイプが確認できますが、この支柱は、壁面補強と吊り戸レールの補強を兼ねています。

ここで注意ですが、支柱とレールは溶接処理で固定しているのですが、設計前に支柱の位置には十分注意して下さい。

描き終えて気がついたのですが、壁面補強は良いのですが、レールを支えるだけの強度を確保するには、不十分ではと。

せめて開口補強も兼ねて建具枠両サイドの位置に、増設すれば良かったって感じがしました。

ただ、厄介なのが、左側の店内可動棚のシステム柱とのバランスも考慮しなければならないという点でしたね。見た目が良くないことです。グレーの表現が店内什器です。

レール補強の支柱と什器支柱は、見てくれを考えて、同じバーンスで固定しています。実際には、これだけでも縦ラインが入り煩く感じるのですがね…..。

また、万が一のことを考えて滑車がレールからの脱輪防止金物を取り付けた方が安全性も上がるでしょう。以下赤で表現されているのが、脱輪防止金物です。


次に建具の底面に着目して下さい。通常の引き戸であれば、レールに付属している触れ止め用ガイドを取り付けます。

しかし、今回の場合は滑車の安定性がそれほど高くないので、補助輪として底面に戸車とVの字型のレールを取り付けています。以下参照してください。

まとめとして

ちょっと付け加えることがありました。それは、この吊り戸について、注意しておく点が2つあります。細かいことですが、忘れると竣工後に必ず問題が起こります。

それは建具を止める戸当たりとストッパーです。建具に向かって右側の小口には壁との接触で双方が傷つかないようにクッション材を取り付けるか、床面に戸当たりを付けるかの対処が必要です。

また、建具の左側には引き込みしろを残す程度のストッパーが必要です。以上ですが、忘れがちになるので必ず覚えておいて下さい。(展開図にピンクの点線で囲っている箇所です)

当時は、家具通りなんて呼ばれていましたが、今やオシャレなファッションや雑貨のショップが建ち並部「オレンジストリート」となっています。

その一角の帽子専門店ですが、今有るかは、分かりません。昭和初期のアンティーク家具や古材を利用した装飾を活用し、レトロモダン調のデザインが流行った時期でも有りました。

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