紳士雑貨で活躍するショーケースの作図事例
物件名:大丸神戸 6F 紳士雑貨_2001.07
■サイズ■仕様
W1500×D1200×H1100
図面参照
本体:木下地CL仕上げ
ショーケース部:t=8mmクリアガラス
■備考

作図解説

百貨店の改装は、多く手掛けてきましたが、実施設計としてはそのほとんどが、店内に配置され単独什器がほとんどでした。今回の作図事例も過去に手掛けた紳士売場での作図です。

複雑なショーケースのため、A3で3枚での構成となります。ショーケースだけで無くややこし什器には、多く各箇所があるので仕方がありません。

それでは、この紳士雑貨用のショーケースの詳細図を解説していきますが、
ショーケース上部にはディスプレー台を設置できるようにしているので、本来はこの姿図となりますが、レイアウトによっては、片面単体でも配置することが出来ます。

ただ、売場の効率を考えるならば、2台を組み合わる事の方が、どの方からでも商品を見ることが出来るので、良いと考えます。

解説を進める前に、以下の作図が、ショーケースの上に設置するディスプレー用の備品になります。また、言い忘れてましたが、この売場は喫煙具関連の売場で、什器については主にライターなどを展示します。

什器の外観は至ってシンプルで、曲線状に曲げた古美色仕上げの脚が唯一の意匠といえます。

この曲線状の脚に合わせて、天板と底板の見付けにも丸みをつけた形にしました。ショーケース部は、天板と側板を8mm厚のガラスを使用し、フォトボンドにて固定しています。

次に、商品を出し入れする箇所は、ケースワイドが1450mmあるので、開閉のし易さと安全性を考慮して引き違い戸を採用しました。t=6mm×w=700mmのクリアガラスを取り付けました。

この引き違いガラス戸は左右の縦フレーと上下のレールを溶接組して什器の天板へ固定してあります。以下は平面詳細図で12×25の角パイプが確認されます。

以下の部分詳細図と見比べれば理解できると思いますが、如何でしょう。

ただ、このままの状態では、固定箇所が天板に取り付けた下レールしかないので、安定性がありません。

そこで、天板ガラスにフォトボンドで固定するようにしました。気になるのは、上のレールが、ショーケーストップから見ると丸見えになったのが悔やまれます。反省点ですね。(汗)

a部詳細図

ケース内部にある可動棚には棚下照明を取り付け、上部にはコの字型カバー内にエースラインを仕込んでいます。これらの照明は背板のスリット横に取り付けたラインコンセントから電源を取るようにしています。

腰部の納めについては、ショーケースがかなり厄介でしたが、こちらはシンプルなものです。上の断面詳細図の拡大を見ていただければ、一目瞭然でしょう。

断面詳細図の拡大図

次に、ショーケース上部に設置するディスプレー台についてです。

様々な商品(ライター)をディスプレー出来るように傾斜面には、脱着式のライザーパーツを4枚用意しました。片面だけにライザーを設置したりと、色々なディスプレーに対応出来ます。

意識することは、このディスプレー備品は当然ガラストップに乗せるので、底部分にはクッションを貼ります。

レッスンポイント

店舗の設計では、必ずと言って良いほどガラスショーケースの作図は出てきます。今回もそうですが、什器が仕上がってから失敗が見つかります。時間が無いと言えばそうなのですが、それを言ってしまったらおしまいです。

特に気をつけるところは、ガラスの取り付けかたとショーケースの開閉装置です。必ず出てくるのが付属金物です。

まず、ガラスフレーム、引き違い戸のレール、鍵など、ちょっとややこしいの部品が連なりますので、事前にチェックすることが肝心です。基本設計ではそういった細々したことは、一切とは言いませんが、図面上には無いことが多いです。

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