あくまでもフォルムはシンプルに!

この什器は、インナーショップなどでよく使われる「傾斜ハンガーバー付きサイン什器」です。

見た目は細身でシンプルですが、通常のアパレル什器とは構造が大きく異なり、いざ描こうとすると難しさが際立ちます。

特徴的なのが、R形状に湾曲した傾斜バーと、什器上部に設置されるサインパーツの構造。初心者がいきなりこれを描けと言われると、戸惑うのも無理はありません。

僕自身、初めて描いたときはかなり時間がかかりました。でも、インナー関連売場ではこの什器は欠かせない存在であり、描けるようになっておくと確実に力になります。

■サイズ■仕様
W500×D550×H1250
その他は図面参照もこと!
フレーム:25×12スリットパイプ
脚:傾斜曲げフック:φ6スチールロッド(クローム) コロビ止め:φ4 h10スチールロッド(クローム)
台座:t=3 φ350スチール板(クローム)
■備考 ■難易度:初級編★★★☆☆

作図解説

構造は、中央のスチール支柱(□25×12)を基準に、左右対称で9本ずつ、計18本の傾斜バーを取り付けたスタンド什器です。

バーはφ9スチールロッドをR形状に曲げ加工し、先端には“ころび止め”(φ4)を溶接する構造。フックのピッチは50mm間隔と細かく、製品の整列感を意識した設計です。

ベース部はφ350スチールのフットプレートによって自立し、什器上部にはアクリルサインを固定する部品が設けられています。

このサイン部分は、スチール製のコの字チャンネルをトップに溶接し、そこにアクリル板を差し込んだうえで、ローレットビスでしっかり固定するという納まり。

細かい寸法・仕上げ指定も記されており、作図精度が問われるパーツです。

作図ポイント

傾斜バーは、直線と曲線が連続する独特な形状で、見た目以上に正確な作図が求められます。
特に、R部の中心や曲げ始まりの位置を把握しながら描くには、ある程度の製図慣れが必要です。

また、傾斜角度(図中では「3:4」勾配)にも注目し、角度指定を明示した上で描くようにします。

もう一つの注目点は、サイン取付部。

このパーツは部品感覚でとらえがちですが、取付方法、固定構造、材料、仕上げなどすべてが図面上に指示されているため、それを“読み解く”目も必要になります。

描く際には、線の太さやピッチの間隔なども厳密にとることで、よりリアルな図面になります。

まとめ

このような什器は、目立たない存在でありながら、インナー売場には欠かせない要素のひとつです。
そして、描く側にとっては「単純そうで単純ではない」、まさに鍛錬になる題材です。

特に、R形状のバーや詳細図の描き起こしは、作図力と読み解き力の両方を養う格好の練習になります。

一度店舗で実物を見たり、図面をじっくりトレースしてみたりして、ぜひ“描ける自分”を体感してみてください。
ちょっと面倒だけど、描けたら嬉しい什器です。

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