袖壁に小窓を設けた

物件名:ROUND1 市川鬼高店_2009.06
■サイズ■仕様
W960×D135×H2180
図面参照
三方枠:塗装(化粧板同色)
建具:t=35フラッシュ引戸:化粧板貼りアイカ 
H-5414(ホワイト色)
■備考
初級編/難易度:★★★☆☆

作図解説

この作図事例は、袖壁に小窓を設けた珍しい引き戸の詳細図です。何故、このように小窓を設ける必要があったのか。

実は、事務所内に禁煙休憩室、俗に言う分煙室を造ったための袖壁で有り、引き戸だったのです。最近も、分煙、分煙って五月蠅いですからね!小窓を設ける必要があったのです。

今回の主題は、あくまで引き戸ですから、ひとつの施工事例として読み進めてください。

抑えておきたいポイント

まず、休憩室側から吊りレールをメンテナンス出来るように、ハッチを取り付けています。

このメンテナンス用ハッチについては、必ず取り付けなければならないという訳ではありません。

仮に禁煙休憩室の中に意匠を施す必要のない場合や、倉庫などの機能だけの居室の場合などでは、枠を加工してレールを隠す必要はありません。

ただ、この場合は事務所に訪れる来客を意識して、最低限の内容を描いてみたわけなんです。

この事例のように、公共性のある出入り口の場合は、レールの目隠しも含めてメンテナンスハッチを取り付けることは、少なくありません。


まあ、見てくれは、その環境に応じて判断すればいいことであって、全てを完璧なカタチにしなくても良いと考えます。

それでは、次にメンテナンスハッチについて進めます。

メンテナンスハッチの納めは、とてもシンプルにしました。幕板と枠との間にピアノ蝶番を取り付けて開閉させるようにしています。

引き戸の納めでのポイントは、壁と枠とのチリ寸法です。以下平面詳細図をご覧下さい

作図を見て頂くとわかるように、壁と枠とのチリ寸法が10mm以上あります。
特に部屋内の壁と枠とでは30mmもありますね。

通常の建具枠と壁とのチリ寸法は、特別な仕上げで無いかぎり、3mmから5mm程度が、望ましいです。

例えば、壁面クロス貼りなら、5mm確保とか、塗装仕上げだと3mmという感覚です。

壁面に10mm程度のサイズの見切り材を取り付けたり、巾木を取り付けた場合は10mm以上のチリもあり得ます。

しかし、この引き戸でそういった装飾物や出巾木仕様ではないので、あまりにも壁と枠との段差が大き過ぎます。

おそらく、窓を取り付けている壁芯を基準にしている事が原因で、このようなチリ寸法になってしまったのでしょう。

この壁のチリ寸法を3mmに設定すると全体的に12mm程度は省く事ができます。

また、メンテハッチと建具との隙間を22mmから10mm程度に変えると、禁煙休憩室内の30mmのチリ寸法も調整出来きたはずですが………..。

構造的には問題ないのでチリ寸法だけは注意して参考にして下さい。不細工ですからね!

まとめとして

初心者レベルの図面事例如何でしたか?
この業界で設計業務に携わるには、建具図は必須です。絵面では簡単に見えてもいざ描くとなると「う〜ん!」っていう方は、少なくありません。

尚、メンテナンスハッチについてですが、レールに付属するカバーもメーカーによっては揃えていることもあります。

よって、設計する際は見映えとコストとのバランスを考えて検討するようにして下さい。


今回「チリ」「散り」なんて言葉が出てきましたが、こちらも大切な言葉ですので覚えておいてください。

以下参考サイトです。

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