FRAGILE 徳島そごう店_2007.07
■サイズ■仕様
W2700×D500×H2750
図面参照
本体:LGS下地AEP塗装
固定棚:木工下地ウレタン塗装仕上げ
■備考
2020.05.25初出稿

作図説明

まず、この作図はかなりの経験者が描いたものと思われます。2007年ですからかなり以前のものです。ひょっとしたら私?なんて思いながら見ています。

さて、本題に行きましょう。間接照明が際立つニッチ壁面の作図事例ですが、壁面にインローパイプにて取り付けた固定棚詳細図の事例とも言えるでしょう。過去にもよく取り上げてきたインローパイプ式ですが、今回はこのパイプも意匠の一部として使った事例となります。

まずはニッチ壁面の間接照明部についてです。下のa部詳細図をご覧ください。

a部詳細図 S=1/10

間接照明カバーにはPB(プラスターボード)を使用しています。この納めは非常に難儀します。必ず補強する必要があるからです。そこで、L型に加工したスチールの見切り材をビス止めとしました。(以下の作図参照)

また、PBの小口が当たるところには、前述のスチール見切りを3mm折り返しとしました。

このあたりが、設計者としての気配りでしょう。PBの角は脆くこのような見切りがあれば安心です。是非参考になさってください。

続いて、固定棚についての説明です。

通常の場合、このインローパイプは、固定棚の中に差し込まれて姿は見えません。しかし、この事例では棚を浮かしたような見え方にするため、壁から50mm離したところで固定するようにしています。

一見、難しそうな納めと思われがちですが、それほど難しくなくはありません。ただ、棚に差し込むインローパイプ寸法位置を調整するだけですから。今回は、50mm空けて318.5mmにしています。

ただ、気をつけるべきところは、棚板の裏面小口を仕上げておくことです。この事例では、仕上がっていません。きっと、気がつかなかったのだと思います。

また、この固定棚にはもう一つ特徴があって、それは照明器具の取り付け位置が、2箇所にあることです。商品を照す棚下用と壁面演出用の管球です。

棚下用にはニッチ上部に取り付けものと同品番の薄型ダウンライトを4灯配置し、棚の奥面には演出用としてシームレスライトを取り付けています。尚、そこには、カバーを処理しています。

この演出照明とニッチ壁面に取り付けた間接照明によって、背面のウレタン塗装仕上げのパネルが淡く照らされて、味のある演出効果をもたらします。普段は味家の無い壁面ですが、この事例であると壁面が生きてきます。

それでは、この造作什器の断面図とストックボックスの詳細図を見て終わりにしましょう。

断面詳細図

引き出し式のストックボックスですが、特に難しい収めではありません。引き出しの手じゃくり加工部とッケルメッキプレートを貼った戸当たり部分の寸法を明記したb詳細図を参考程度にご覧下さい。

作図の注意点
固定棚奥に取り付けた演出照明カバーですが、必ず左右の端には蓋を取り付けるようにして下さい。
左右の方立て壁から100mmも離れているので、照明器具が見えてしまう可能性もあるからです。

今回の事例では底目地加工を施しましたが、アレンジの一例として底目地をゴールドメッキの目地棒に替えでも良いでしょう。照明が目地棒を光らせ、高級感ある見え方になります。

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