アパレルショップには不可欠なガラス棚什器が….?

物件名:IXI:Z 高島屋大阪店_2001.02
■サイズ■仕様
W1200×D750×H900
図面参照
フレーム:21×21スチール角パイプ メラヤキ仕上げ
棚下照明カバー:t1.2mmスチール曲げ加工 メラヤキ仕上げ
天板:t6mmクリアガラス落込み
■備考
2019.11.27更新

作図解説

作図事例は、オーソドックスなフォルムのガラスオープン棚の什器です。売場ではボリューム什器として活躍しています。シンプルなのと、商品に触りやすいというイメージがあるようです。

そんな、何の特徴もない什器だからこそ、今回は、機能面でちょっとした工夫を加えようと考えた訳です。

まず、売場でよく見られるオープン棚什器は、天板や中棚は殆ど固定された状態です。そのため、最下段の商品を見るには、しゃがまないとその商品を詳しく見ることはできません。

また、低い位置にあるので、視線が届きにくくデッドゾーンとなり、お店にとってはよろしくない状況です。そこで、考えたことをお話しします。

前述の問題を解決できるように、今回の作図事例にある工夫を施しました。それは、下段の棚をスライド式にして、視認性を高めてはどうかと!

まずは、什器の仕様から簡単にご説明してきます。

本体フレームは21mm×21mmのスチール角パイプ組みで焼付け仕上げです。天板と中棚は6mm厚のガラスを落とし込む仕口で、棚下照明を2箇所づつ取り付けています。

最下段には、底引きスライドレールを取り付けた木棚となっています。各部の納め方についても、角パイプフレームを使った什器ではよく使う方法で納めていますので、ご理解しやすいと思います。

では、天板のガラスのフレーム廻りを描いた a部詳細図をご覧下さい!


トップガラスは、フレームに溶接処理したフラットバー(以下FB)で受けていて、フレーム内の四方に固定します。
このFBの直下に棚下照明用のスチールカバーを固定しています.

しかし、このカバーがあればガラス受用のFBはなくても問題ないです。配線開口を空けるスペースを確保するためにもカバーとフレームとの設置面積は大きい方が良いです。


続いてスライド式木棚を描いた b部詳細図です。

上の断面詳細図ですが、可動させるために底引きのスライドレールを使用しています。そのため、5mm厚のスチール板を底板としてフレームに溶接処理して固定してみました。

また、引き出す際の手掛かりが必要だったため、棚の見付は50mmと大きくしました。


この結果、この部分だけは角パイプフレームをなくし、中央に補強パイプを取り付けています。

ただ、この状態では十分な補強だとは、言い難いので改善案としてピンクのラインでパイプを追加しました。
上の三面図の立面図で確認できます。

また、足下にも同様の補強を施して、安定度も高くしています。

尚、スライド式の木棚下に3Pコンセントを取り付けていますが、この場合だと床から離れているためどうしても配線を隠す事が難しいです。

そこで、足下のフレーム下に取り付けて、床からコンセントまでの距離を少なくしました。この方が、配線の露出度を押さえる事ができます。

後記

什器のアレンジは、過去から多くやりました。と言うのも某会社の『VMD プロジェクト』に参加したのが切っ掛けでした。ですから、什器についてはかなり詳しい知識があります。

新店計画があれば、その責務のために全国各地の新店をリサーチして、良い無いようだったら、デザインは別として新たな什器を考えました。そして、それを膨らませ店舗も設計しました。

その後、そのプロジェクト解散しましたが、そのときの癖というんでしょうか、店舗リサーチ+什器スケッチなどは、今でも続けています。まあ、そんな正確なんでしょう。私は!

以下に、スタッフと作ったショップマニュアルがありますので、参考にしてください。

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