店舗什器のほとんどはオープンタイプの棚什器と言っても過言ではないでしょうが、その意匠は多く見受けられます。
今回、ご紹介する什器もそのひとつです。
ディスプレー要素も備えたワンポイント型のオープンタイプの棚什器です。
ですから、他の同タイプの什器よりも商品を見やすくするため棚を前に付き出しています。
尚、この作図事例も他と同様、用紙を2枚に分けて描きました。
什器はとてもシンプルなのですが、ここは手を抜かずに理解してもらうためにしっかり描きました。
まずは、以下の図面をよく見て、全体像、サイズなどを確認して下さい。
■サイズ | ■仕様 |
W500×D485×H1350 図面参照 | フレーム:スチール15×30角パイプシャンパンゴールド仕上げ 棚見付:スチール4×40FB溶接処理シャンパンゴールド仕上げ 可動棚 t=8mmクリアガラス |
■備考 | |
難易度:中級編/★★☆☆☆ |
作図解説
1枚目の図面では、三面図に加えて平面断面図2面(A,Bでマーキング)と右下の断面図1面(Cでマーキング)で構成しています。
順当で当たり前の描き方です。
それでは、その造りについて進めていきます。
フレームの組みは、スチール角パイプ 15mm×30mmを使用しています。
通常でのフレーム組は4本の支柱で構成するのですが、3本での構成で成り立っています。上から見ると英文字の「T」に見えます。
これについては、お客様からのアプローチは一面のみとしています。
可動棚とステージの形状を分かりやすくするために、ここでは2つの平断面図も描くようにしました。
スチールフレームや可動棚の見付にはスチールの角パイプとスチールフラットバー(以下FB)を使用しています。
ステージの天板と巾木は木工下地のウレタン塗装仕上げにしています。
一見、不安定性にも見えるフレームに、可動棚をいかに取り付けるかは、苦労しました。
それについては、以下の断面詳細図をご覧頂きながら説明していきましょう。
作図ポイント
上の断面図をちょっと拡大してみました。以下参照して下さい。
2段ある可動棚は、スチールFBで枠組みをして内側にガラス受け用のツメを溶接処理しています。
仕上げは、シャンパンゴールド色のメッキ仕上げで、従来のゴールドよりも白っぽい色合いで、落ち着きのある高級感を演出してくれます。
この枠組みした中に、8mm厚のクリアガラスを落とし込み、3本の支柱にローレットビスで固定するようにしています。
ステージにもフレームと同じ角パイプを四方に廻し、溶接で一体化しました。
そして、ステージの天板を乗せるための下地材と、補強を兼用した16mm×16mmの角パイプも取り付けるようにしました。
什器高1350mmに対して、重心を下げる意味でも、この補強金物は重要な役割を担っています。
ウレタン塗装のステージ天板は、16mm×16mmの角パイプにビスで固定した後、落し込みにしてあります。
まとめ
作図注意点と言ってはなんですが、可動棚の三点止めについて、図面を見ていると、ちょっときゃしゃな気もします。
また、最も荷重が掛かかる箇所でもありますので、ローレットビスも強度の高い太めのタイプを使用した方が良かったような気がします。
このあたりは、作図している本人しか分かりません。
自分で判断できない場合は、制作担当の業者さんに聞くのも得策と考えます。知らないことは聞いても恥ずかしいことではありません。
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